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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2003年08月10日(日)
ジリジリの夏


 高校野球にはふたつの夏がある。兵庫は西宮にある夏と、日本全国、土ぼこりのするグランドや練習場にある夏。後者を秋と呼んでいたが、突き抜けるような青い空に、皮膚を焦がす太陽、生き急ぐ蝉の鳴き声が、逃れようもなく夏なんだという事実をつきつける。

 練習を見に行った。BGMは、蝉の鳴き声。選手はよく声が出てるのに、なぜか耳についた。蝉は、ミ〜ンミ〜ンなどと悠長に鳴くもんじゃないんだと気づいた。ミンミンミンッと鳴くのと、ジリジリいっているのがいる。やかましいのだけど、切ない。

 私がグランドに着いたのは午後。バント練習が始まっていた。グランドの真ん中で投手の生きた球を転がすチームと、片隅でマシーンの打球を転がすチームのふたつに分かれていた。今のところ、どっちがレギュラーに近いかは…。でも、一番印象に残った選手は後者にいた。

 彼がバントをしていた姿はよく覚えていない。そのあと、声かけをしていた姿がなんか良かった。2年生なので、下級生に一生懸命アドバイスを送っている。「出来ひんかったらひざついてええんやぞ」「ファウルでもいいから思い切りな」「となりに負けんように声出して〜」「そうや、それでええ」、他具体的な技術的アドバイスもあった。そして、おもむろにバットでラインを引き、「このラインに転がせ」という。側に監督がいたが、指示が出てやってるわけでもないようだ。優しい声だった。決してなあなあではなく。練習中は選手間でも厳しい声が飛び交うチームだが、こういう声も必要だなと思った。

 話は飛ぶけど、練習途中、監督から話があって、みんながマウンド付近に集まっていたとき、バッターボックス付近にあったボール(=バントしきれなかったボール)を手伝いにきてたOBがマシーンの側にあった箱の中に戻してくれてたの、気づいたかな?

 バント練習のあとは、守備の連携プレー。これが大変なんだわ。いつも雰囲気がケンケンするのはこの練習のとき。これは私が練習を見たことのある大半のチームでも言えるのだけど。名指しで注意される。私は、皮肉にもこれでその選手の名前や特徴、守備位置を覚えるのだけど。

 なかなかうまくいかない練習見ながらふと思う。もうひとつの夏が来たとき、これと同じプレーが出たら、ベンチはどう反応するんだろう、と。ベンチ付近の席を陣取る勇気がないかぎり、永遠に謎のままだな。