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| 2003年07月23日(水) ■ |
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| 片隅にあった“夏の現実” |
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ある日、試合中、飲み物を買いに売店行った。階段を降りると、片隅にユニフォームを着た選手とショートカットの女の子がいた。選手に背番号はない。首にタオルを下げていた。階段に腰掛けて、壁にもたれている女の子と話していた。女の子は聞き役だった。選手も女の子もダルそう表情をしていた。暑いので、ここで涼んでいるようだ。
こんなことあるんだ…。 私は立ち止まってしまった。わりと近距離だったが、2人は私の存在に気づいていなかった。階段の向こう側、炎天下スタンドでは彼と同じユニフォームを着た、やはり背番号のない選手たちが声を嗄らして声援を送っていた。部員がたくさんいるチームだから、1人くらい抜けたってわからない。さぼりたくなる気持ちは、わからなくもないけど…。
終盤、そのチームはピンチを迎えた。一打逆転である。スタンドをじっと見た。あの選手はどこにいるのだろう。いてもたってもいられなくなって、さっきの階段に向かった。あそこにいたら、このチームは負ける。いなかったら、勝つ。そんな気がした。
駆けつけると、そこには人っ子一人いなかった。チームはピンチをしのぎ、球場に校歌が流れた。
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