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| 2003年04月28日(月) ■ |
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| いいバッター |
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「あのキャッチャーは、あまりいいとは言えないね。」 ある日、一緒に野球を見ていた人がふとそうつぶやいた。彼の目線の先のキャッチャーは、ワンバウンドでミットに納めたボールをそのままピッチャーに投げ返した。「いいキャッチャーはね、ああいうときにはボールをユニフォームで拭いたり、手でこすったりしてから返すんだ。ワンバウンドしたんだから、土がついて汚れてるでしょ。そういう何気ないところに気がいくのがいいキャッチャーなんだよ」。
今日、西京極球場で大学野球を見ていた。関西六大学のリーグ戦。カードは龍谷大ー京都産業大学。試合の終盤、龍谷の代わったばかりのピッチャー・柳瀬はやや制球力の欠いている感があった。カウント2−1からの4球目は、逆球だったのか、キャッチャー・古里はボールを後逸させないように抑えるのが精一杯で、前のめりに倒れ込んだ。もとの姿勢に戻るのにちょっと時間がかかった。
その状況を見ていた京産のバッター・瀧本は、古里の死角に落ちてたボールを見つけて拾い上げた。「キャッチャーに渡してあげるのかな」。そう思って、彼の手に握られているボールを見つめていた。しかし、そのボールは、ユニフォームの太股の部分で土を払われたあと、ピッチャー・柳瀬に返球された。
試合は何事もなかったかのように再開された。彼はいいバッターなのかな。ふとそう思った。気づいたら、彼は一塁キャンパスに立っていた。
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