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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2003年02月25日(火)
京都府亀岡市民/1億人


 京都市のお隣・亀岡市は、善人の町である。今日はそんな話。

 高校時代、恋多きともきちが、京都学園大学の野球部員を好きになった。“思い立ったら即人をつき合わせて行動”の彼女は、私をキャンパスのある亀岡に拉致した。京都駅から嵯峨野山陰線に乗り、亀岡駅に到着。ところが、その地点で二人の全財産は帰りの交通費(約400円)がギリギリ出るくらいしかない。郊外、山の近くにあるキャンパスまでただひたすら歩いた。ところが予想以上に遠く、歩いても歩いても人っ子一人いない車道が続いた。

 「喉、渇いた」。どちらかともなく言った。でも、ジュースを買うお金もない。足取りが重くなる。そんな中、道路沿いに民家を見つけた。平屋で古びた家だった。「水もらおう」。ともきちが言った。普段なら、人様ん家で水をもらうなんて、時代劇の世界じゃあるまいしと思ったんだろうけど、これを逃したら一生飲み物にありつけない。それくらい切羽詰まっていた。

 こういうときに役立つともきち。さっさとチャイムを鳴らし、出てきたおばさんに事情を説明した。おばさんは、何の警戒心もなく、「それはかわいそうに」と家から水をくんで飲ませてくれた。この地点で、亀岡市100ポイントアップ。おばちゃん、ありがとう。ナイトスクープに応募することもちょっと考えたけど(笑)。

 1杯の水で元気百倍になった私たちは、京都学園大学のキャンパスに到着。坂の多いところで、またもへたりかけたが、制服を着ていることが幸いし、教務の人から願書(受験しなくてごめんね♪)とテレフォンカードをもらった。

 そのテレフォンカードを使って、市内にいる友人に電話した。事情を話すと、「バスがあるから、乗りいや。そのあとのお金?貸してあげるしいいよ」。という神の声。電話をしたのはともきちだったので、具体的な内容ははっきり覚えてないが、とにかくそんな感じだった。「ありがとう、ほんま、ありがとう!」、受話越しに何度も頭を下げた。バスに乗ると、水を請うてまで必死に歩いた道はものの10分で通過。私らって…。

 駅で友人と落ち合い、大金・1000円(1人)を貸してもらった。私たちにとっては、5万にも10万にも値する価値があった。彼女と別れたあと、「せっかくだから」と、駅前の店でうどんを食べた。五臓六腑に染み渡る味だった。

 あれから10年。もう財布に中に400円しかない状態で、出かけたりはしないだろう。でも、親切にしてくれた亀岡の人の印象が色褪せることはない。その後、仕事の関係で亀岡の現場に行くが、働いている人の印象はやっぱりいい。町のますますの発展をお祈りします…。