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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年12月09日(月)
誰やねん挨拶


 『誰やねん挨拶』
 ベンチウォーマー管理人・こちらでさんがコラム内で使用してた言葉。野球部員が、(相手が)誰かわからないけどとりあえず挨拶をしとかなと思い、挨拶をすること。私がされる挨拶は、100%これ。

 高校野球部員は、練習中に私たち第三者の前では隙を見せない。だから、誰もがさわやか好青年に映ってしまって戸惑うし、挨拶されると悪い気もしない。でも、ある日、その誰やねん挨拶の隙間を見てしまった。

 秋のこと。友人2人で某高校の練習を見ていた。来るのが遅かったのか、練習自体はすでに終わっていて、グランドにはトンボを手にした部員10数人が散らばっていた。こんなときに見ているのがよほど異様なのか、観客席のゴミを拾っていたショートカットの女子マネージャーが私たちに頭を下げた。その口は、「こんにちわ」と言っていたが、ちょっと距離があったので、声までは聞こえなかった。寒いなか、ご苦労さん。背を向けて歩き出した女子マネージャーに心の中でメッセージを送った。…と、ここまでは良かった。

 ところが、彼女、それとなく私たちの方をチラチラ見たあと、首を傾げていたのだ。「うち、挨拶したにはしたけど、あれ、誰やねんろ。見たことないなあ」ってところだろうか。そんな彼女を見て微笑ましくなったと同時に、気を遣わせて悪いねえと思った。

 グランドで野球を見ていて透明人間のなりたいと思うのは、こういうときだ。もし、私が野球部員およびマネージャーだったら、私みたいな人がグランドにいると、どうしていいかわからないもの。

 このごろ、東山のグランドに行くと、選手が私たちにも挨拶をしてくれるようになった。実はこの11年間、一度だってなかった現象。(ともきち曰く、「うちらも年取ったっていうことや」)嬉しいというより、正直戸惑っている。新監督になって、一番最初に取り組んだのが「声を出すこと」だという。その中に挨拶も入っているのだろう。

 でも、やっぱり「なんか悪いなあ」って思う。どう対応していいかわからないから。社会的未熟児だし(笑)。その声、もったいない。どこか別のところで使いなよなどと思ってしまう。ま、最も挨拶は誰のためでもなく、自分のためにするんだけどね。