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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年10月30日(水)
ナマズが話しかけること


 我が相方はナマズが好きで、将来家庭を持ったらナマズを飼いたいという。ナマズは主人が帰ってきたら、喜ぶのだとか。それがかわいいくてしゃーないらしい。出会って一番初めに訊いた彼の夢だが、世話するのは絶対イヤだと思う。そんな相方なので、ドライブに出かけて一号線を走り始めたら、気付いたら琵琶湖博物館だった…ということがしばしば。ここにはナマズがいるのだ。

 集中力がなく人混みの苦手な私は、こういう博物館で物を見るのは決して得意ではない。後から来ている人に変な圧力を感じて“はよどかなあかんな”と思ったり、微動だにしない小動物に飽きて、さっさと店内のグッズ売り場にでも行きたくなるタチだ。

 一方の相方は至ってマイペース。なんか嬉しそうに水槽を眺めている。(相方的には)メインのナマズには「おう、久しぶりやのう。元気しとったか」などと声をかけ、なかなか離れようとしない。よう言うわ、さっき1階のレストランでナマズの天ぷら食べてた人が。などと思うのだが、ま、酒やパチンコに走られることを思えばかわいいものである。

 そんなわけで、その日もご満悦で博物館を後にしたのだが、帰りの車の中でポツリと言った。「ナマズ見てるとな、“のんびり生きろよ”と言われてるような気がしてならんのや」

 ひょっとしたら、私がずっと凹んでいるのを分かっていたのかもしれない。