
|
 |
| 2002年10月14日(月) ■ |
 |
| んな演出アリか?! |
 |
昼からNHKドラマスペシャル『焼け跡のホームランボール』(再)を見ていた。題名から検討がつくと思うが、野球の絡んだドラマである。
舞台は戦後間もない日本。当時はドリームボールと呼ばれた軟球を手に入れるために、米を担いで上京する少年たちのアドベンチャー的物語。上京早々騙され、売ろうとしていた米を取られるも、少年たちはめげずに持てる頭を回転させて、資金を作っていく。この過程が痛快で、また楽しかった。
ところが、最後がいただけなかった。
物語の終盤、旅の途中、アクシデントで大けがを負った仲間に一人・正(ただし)を、残りの少年たちが、手に入れたボールとともに見舞った。ベットには頭に包帯がグルグル巻きの正が眠っている。「正、ボール、手に入ったぞ」、少年の一人はそう言って少年の掌にボールを乗せたが、ボールはするりと床に転がり落ちた。少年たちは、彼のベットの前ですすり声を挙げている。そっか、正は死んでしまったのか。私は単純にそう思ったのだが、その次のシーンでは、正は外野の守備位置にいて、大ファインプレーをしていた。残りの仲間曰く、「正、ナイスキャッチだ!」。おそらく制作者の意図としては、感動のハッピーエンドなんだろが、私は「生きとるんかい、正っ!」とブラウン管に向かって突っ込んでしまった。
だって、どう考えても生きているのがおかしい。あれほど欲しがっていてボールを手にしたら、もし生きているなら目覚めといてもらわんと。だって、それだけ思いがあるから、子供だてらに今よりももっと距離感のある東京に出向いたのだろうから。そりゃさ、子供を主人公にしたさわかやなドラマで人一人殺すのはどうかと思うけど、元気なら元気で、「ボール、手に入ったからな、早く良くなれよ」「ありがとう」くらいのやりとりしなはれ。次の番組が始まっても尚、気になって仕様がなかった。やっぱり分からない。あの病室で、正にボールを握らせなかった制作者の意図が。私の頭が固いだけなんだろうか。
|
|