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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年10月12日(土)
成章・柏木投手に10年前を見た!


 秋季京都大会準決勝第二試合は、3−1と京都成章がリードした状態で9回裏、平安の最後の攻撃を迎えた。表の攻撃で、好投していた村上投手に代打を出していた成章は、9回にピッチャーが交代した。左腕の柏木投手である。村上投手同様1年生で、2枚看板という感じになっているようだ。今日、初めて見るピッチャーである。

 ところが、彼を見ているうちに、ものすごく懐かしい気持ちなった。不思議だなと思い、理由を探ってみると、彼の投球フォームにあることに気付いた。左腕から投げ下ろすボール。上半身もお辞儀するような形でキャッチャー方向に向かう。いわゆる“下を向いて投げる”というヤツだ。あの投手にそっくりだった。

 今、巨人に在籍している岡島投手は、東山のOBだが、その当時もあんな投球フォームだった。当時は何とも思わず見ていたのだが、今思うととても珍しいフォーム。まさか、こんなところで再会出来るなんて!一遍に過去の記憶がよみがえった。初めて岡島投手を見た皇子山球場でのナイター試合、石畳のスタンドにカバンを放り出し、フェンスにしがみついて夢中になっていた制服姿の自分、風は冷たく、手がかじかんだっけ?3年生になって春にセンバツに出て、制球難に苦しんでいた彼の姿はアルプスの一角からではあまりに遠かった。

 ただ、柏木投手は同じ左腕だけど、彼より小柄だし、肘あたりに円滑油が入っているような柔軟さがあった。(当時の岡島投手はもう少しぎこちない動きをしていたように思う。荒削りという言葉で表現出来る感じの)それに、最後の最後では顔を上げて、ちゃんとボールの行方を見送っているような仕草も見られたし。似ているけど、同じじゃない。だから、懐かしいと思ってから10年前にタイムスリップするまでに時間がかかったんだろう。

 最後のバッターを打ち取った柏木投手は、キャッチャーと抱き合っていた。そういや、あのとき、岡島投手のこういう仕草見たことなかったなあ。ふとそう思った。