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| 2002年05月26日(日) ■ |
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| ありのまんま“緑”+α |
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天気がいいので、相方と当てのないドライブ(いつものこと)に出かけた。恒例の161号線を走っていると、道路がすいていて、思いのほか、スムーズに進む。「よっしゃ、小浜行こか」
福井県小浜市、福井県の入り口、海の側にある町。昔、おにゃんこクラブというアイドルグループがあったが、そこでも一際異彩を放っていた長い黒髪が特徴の会員番号16番・高井麻巳子さんの出身地だ。あのおっとりした雰囲気がこの町ではぐくまれていたのがよくわかる。小浜はそんなナチュラルな町だ。
車を走らせて1時間30分程度、着いては見たけど、することがない。そこで、私は「若狭高校、見に行こう」と提案。相方はすることがないので、しぶしぶ車を発進させた。
若狭高校は、小浜駅から1km程度離れた川沿いにある。学校の前には、飲食店が2,3あり、小さな本屋、ショッピングセンターもあり、ちょっとした町の中心地だ。(その中のトンカツ屋で昼を摂ったのだが、テーブルに有料ながら携帯充電器があり、非常に助かった)
門は二つある。一つは時代劇の城のようなもので、もう一つは比較的新しそうな石碑だった。いずれにせよ、壮絶だった。
グランドは学校の裏手にある。土地の立地条件がよくなかったのか、大きなグランドの他に小さなグランドが2,3あった。その大きなグランドの後方に[目指せ甲子園]と書かれた白いパネルがあり、黒土のマウンドもあったので、ここが野球部が使っているグランドだとわかった。レフト後方には地下道があり、抜けるとテニスコートに出る。
グランドは狭いのか、広いのか、正直、よくわからない。たぶん、広い方だとは思うのだが、形がいびつというか野球にはむかない感じなので、実際より狭く感じた。
しかし、誰もいないグランドはきれいに整備されており、見ていて気持ちが良かった。
観客席としてあるのは、ネット裏の階段のような3段のスタンド。ここから、見ると、キャッチャー後方のファウルゾーンが結構広いことに気づきました。ちなみに一番前で座ると、フィールドを見上げるという新鮮な視野が味わえます。
しかし、グランド付近にあるきれいに舗装された道路の歩道で立ち見もなかなかよかった。視線が外野レフトスタンド。グランド全体が見渡せます。
また、グランド側には南川という水量豊かな川があるため、三塁側にはちょっとした土手が出来ている。緑豊かな木が数本植えてあり、格好の日よけ場所となりそうだ。
面影が松商学園の土手と似ているなあと思った。この土手みたいなところにグランドへ降りるための階段がある。よくわからないが、ここで見る人もいるんだろうな。ちなみに、ここに何故かめがねが落ちていました。
ここの特徴は、とにかく“緑”。土手はもちろんのこと、スタンド回り、ブルペンのマウンドからバッターボックスの間、そういうグランドの隙間的なところが“緑”なのだ。
文面だけ見ると、「どんな豪華なグランドやねん」と思われるが、決してそうではない。いたって普通のグランドだ。なぜなら、その“緑”の大半が雑草だからである。
グランドの側まで足を運ぶと、草の匂いがツンと鼻をついた。夏にミュールで観戦なんて、自殺行為。
大半が雑草なのだが、中にシロツメクサなど色彩鮮やかな花の咲いていて、「ああ、みんな生きてるんだなあ」と思った。グランドがきれいであることがすべてなら、この雑草たちは刈る取るべきなんだろうけど、自然のままもいいなと思った。もし、ここの人に話がきけるとしてら、そうしてこのままにしているのかを訊いてみたい。
とにかく緑豊富な場所。でも、その緑一つ一つの色が違う。きれいに整備された球場の人工芝やスタンドの緑はその大半が同じ緑である。
一重に[色]といえど、いろんな種類がある。以前呉服屋で働いていたとき、売り上げ伝票を書く(パソコンがなかったんです!)際、商品名に出てくるあまたの色の名前に頭がクラクラした。
だから、[緑色]にもいろんな[緑色]があるわけだ。ここのグランドにある緑を結集した考えたとき、脳裏に“ありのまんま緑”という言葉が浮かんだ。みんな同じようで同じじゃない。改めて、そう痛感させてもらった貴重な訪問となった。
若狭高校訪問後,県道261号線をひたすら走り,終着地点の三方町常神というところに車を停めた。
海と山に囲まれた小さな集落で、家が20戸あるかないかの町。小さな漁船がいくつか船着き場みたいなところに浮かんでいた。通り沿いの家の軒先には、昆布や干物が干してあり、民宿が2,3軒あった。
青い空ときれいな海と鳥が気持ちよさそうに舞っている。ただそれだけの町。私と相方は、工事中の看板を無視し、海沿いを岩伝いに歩いた。一歩踏み違えば、海にぽちゃんだ。ちょっと怖かったが、澄み切った海水をのぞくと、ウミウシやヒトデや小さなタコを見ることが出来た。
20分ほど歩くと、階段が見えてきた。かなり急な階段を上ると、反対側の海岸に出た。畳10畳くらいの小さな浜辺。観光客などまず来ないところだから、ごみ一つ落ちていない。階段があるので、もちろん地元の人が来てるのだろうけど、なんか秘境を見つけたみたいで気分がよかった。
2,30分、ぼけ〜として過ごしたあと、元の町に戻った。沖でミャ〜という声がする。ああ、海猫はほんまにミャ〜って泣くなんなあ。
漁の終わった船着き場で、相方と二人、自販機で買ったジュースを飲んでいた。雲行きが怪しくなり、辺りが暗くなってきた。そのとき、ふと思った。「ここで過ごす夜ってどんな感じなんだろう」と。
何するでもなく、ここで夜明けを見たいと思った。朝日の色はどんなだろう。この船着き場のにぎわいはどんなんだろう。朝ごはんに食べる魚はおいしいんだろうな。いつかもう一度、ここに来てやる。そう、心に誓う。
帰り、敦賀で漁港上がりのちりめんじゃこを購入。やっぱ市販のとは全然違う。格段、おいしかった。
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