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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年04月11日(木)
「ミスタールーキー」を見てきました!(ネタバレ注意)

 以前、ここでも書いたエキストラを体験した映画「ミスタールーキー」がすでに先月末から上映されている。バタバタした日が続いていたため、なかなか時間が取れなかったが、ようやく落ち着いたので、友人と2人、夜の映画館に向かった。

 感想を一言で言えば、「楽しかった」。

 でも、それはあくまで私が阪神ファンであること、そして、末席の末席でありながら、この映画の製作に参加し、いわば裏側から見ているという経験によるものだ。

 話の内容自体は、いたってありきたりなので、人に「絶対、オススメ、見てね」などと言う気は更々ない。また、アンチ阪神やアンチ野球という人が見れば、はっきり言って腸煮えくりかえると思うし、人によってはストレスの倍増もありうる。

 これは、ただ「楽しい」「笑える」だけの作品だと思う。だから、野球や阪神に何の愛着もない評論家によって、ああやこうや言われる筋合いはない。

 ここから、人生教訓や建設的思想や映画の発展を見い出せという方が、お門違いなんじゃないの?と思う。そして、そんなお気楽さや突拍子になさが阪神というチームカラーにはものすごく似合っているように思う。

 この「ミスタールーキー」に描かれている人物や世界観が私はものすごく好きだ。

 物語の設定は、200X年であるが、その画質(映画の画質ってどうしても、時代を古く見せてしまうと思うのは、私だけではないと思うのですが…)や町並み、役者たちが醸し出す味やスタンドの雰囲気は、まるで80年代前半だった。全然、現代っぽくない。ああ、そういえば、最後に阪神が優勝したのは、80年代だったなあとふと思いおこした。

 私は、この80年代カラーが好きなのだ。あと10年早く野球を知っていればとその縁のなさを悔やんだものだ。

 桧山選手や藪投手、矢野選手などの現役バリバリの選手の出演に嬉々とし、バースが登場したときには、85年を知らない私ですら、感嘆のため息をついてしまった。

 また優勝決定戦のシーンでは、結果がどうなるのか分かっていながらも、ドキドキしたし、ミスタールーキがバッターを打ち取ったときは、思わず「よっしゃ!」という声を漏らしてしまった(端からみたら、変な客だっただろうなあ)、また無意識のうちに、メガフォンをたたきくようにして、小さく手を叩いていた。

 周知の通り、この映画の主役であるミスタールーキー役は、長嶋一茂氏である。世間ではこのキャスティングを「話題集め」だとか、「長嶋(茂雄氏)人気にすがっている」と言っている人もいるようだ。確かにそうかもしれない。でも、映画を見てみたら、この役は彼にしかできないハマリ役だなと思った。

 野球選手の役、それも試合に出て投げるというリアルな役柄は、やはりどんない素晴らしい演技派俳優(あるいは女優)でも、無理があると思う。かと言って、バリバリの野球選手を起用すると、ミスタールーキーの持つもう一つの面「普通のサラリーマンであり、一児の父」を表すのが極めて困難になるのだ。

 そういう意味で、長嶋一茂氏は、バランスのしっかり取れた人材だと思った。私はいろんなことに鈍感なため、彼の演技の上手い下手は言えない。でも、味のある役者になるんじゃないかと密かに期待をしている。

 また脇を支える妻役の鶴田真由さんや「どっからそんなそっくりさんを見つけてきてん」と思うほど一茂氏の子供っぽい子役の男の子、意外な一面を見せてくれた監督役の橋爪功さんなどなど。これまた痛快に役を演じきっており、見ていて爽快だった。

 あーあ、お腹いっぱいになってしまったなあ。
 現実の優勝?!
 あと130試合も残ってるんやろ?
 ああ、気が遠くなりそう。


追伸:エンディングの「六甲おろし」は、多くのエキストラの声を集めたものだと思います(どう聞いても素人声だったし)。そういえば、ロケ終了後、景気づけななにかのために「みんなで歌いましょう」ということになって、アホみたいに歌っていた記憶がある。まさかアレを使っているとは、やるねえ、ミスタールーキー製作委員会…。