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| 2002年03月19日(火) ■ |
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| 派遣姉ちゃんのちょっといい話。 |
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仕事の話を一つ。 前回は散々文句ばかり言っていたので、今回は「ああ、よかった〜」と思ったことを書きますね。
今日はパートナーが違う部門の手伝いに行ったため、一人で黙々と仕事。でも、何故か集中できて、書類の処理スピードがいつになく上がった(いい加減になっただけ?)。
今日であった2つに「心温まる書類」の話。
一つ目は、書類を大きさ順にきれいに並べて、ビニール袋で包まれていた。
通常ビニール袋は開けるのに手間がかかるので、はっきり言って迷惑なのだが、今回はセロハンテープが剥がれやすくかつ取りにくいのいう伊東家の食卓の裏技のような貼り方がされていたので、ありがたかった。字もととも丁寧に書かれており、訂正箇所もなし。
気になって消印を見ると、2月だった。送り主の住所は北信越方面。当時はまだ雪が降っていたに違いない。きっと彼女は書類が雨や雪に濡れないようにとビニールにくるんだのだろう。
よほどこの大学に入学したいのだろうか。いや、写真から伺える彼女の顔を見る限り、きっとそういうことを当たり前にしてしまうんだと考える方が正しいかもしれない。
ずっといい加減な書類に振り回わされてた私は、あまりの感動にしばらく写真の彼女を眺めていた。世の中、まだまだ捨てたもんじゃない。
2つ目の書類には手紙は入っていた。
手紙は合格者の母親からだった。実はこの方、手続き締め切り日を間違えておられて、気付いたときにはもう締め切りが過ぎていたのだとか。そこで、何とかならないかと学校の事務室に電話をしたところ、「持ち込んでくださればかまいません」と言われたので、早急に持ち込みをしたのだとか。
手紙の続きには、「異例の対応に感謝しています。もし、そのような処置をとってくださなったら、子供は合格しているのに浪人しなければならないところでした…」と思いが切々と綴られていた。
毎日、中途半端な量の書類が来て、ストレスがたまる。職員は「締め切りが過ぎていてもいいんで、処理してください」と言う。
今回の作業は、大量をこなすより、少量しか処理できない方が実はしんどい。だから、「締め切りなんて、1日でも過ぎてたら容赦すんなや。大学入学を何やと思ってんねん!」などと思っていた。
でも、今回の手紙を見て、「ああ、容赦してよかったなあ」と少し思った。中には、締め切りを過ぎても、当たり前のように送ってきて、不備をバンバンだす不届き者もいる。けど、100人の不届き者にイライラするより、たった一人の人間を救えたことを喜び方が、幸せに生きれると思った。
普通、いらなくなったメモは処理が終わったら捨てるのだが、これだけは今もきちんと取ってある。
たかが書類。されど書類。 ここに、様々な人の思いや性格や置かれている立場や心境が見えてくる。
多くの人から必要とされていたり、認められていたり、世界を股にかけたり、語学を活かしたり、エキスパートとして最先端にいる仕事をしているよりか、誰にでもできるし、誉められることもないけれど、こういうささいなものから思いを膨らませることのできる仕事の方が好きかもしれない。
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