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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年02月17日(日)
高校野球との距離感(読書感想文)

 今日は、市内に引っ越した友人の家に泊まり込んで、1冊の本を読破した。その本の感想文を書いた日記とさせていただきます。


 読んだ本:「0対122 けっぱれ!深浦高校野球部」(川井龍介著・講談社)

 ☆ 本の内容→1998年夏、青森大会で0−122という記録的大敗を喫した深浦高校野球部のエピソードとナインのその後。(余談だが、私はこの年の秋、青森にいる友人を訪ねた際に、この試合の行われた球場を見ている。失礼ながら、ちょっとした感激を覚えた。青森市在住だった友人は、野球に興味はないが、「すごい騒ぎだったよ」と言っていた)

 この本を読むにつれ、内容とは関係ないところで、「高校野球を見る距離感」を考えさせられた。

 文中に出ている深浦ナインは、本当に「あるがまま」の高校生で、こちらが無理に「ひたむき」とか「せいっぱい」とかいう型にはめるのはどうかと思ったからだ。と同時にそんな彼らに好感を持った。もっと、気楽に高校野球を見てもいいんだと思えた。

 最近思うことがある。選手の一生懸命さやひたむきさと、見ている側が「へたくそ」とか「たるい試合」とか思うことに何の関係もないのではないか、と。

 私もそうなのだが、高校生の試合のヤジは許せない。一生懸命やっているのにひどいと思った。でも、「一生懸命」やっているかやっていないかは選手個人の中にあるもので、私が言うことでもないなと思うようになってきたのだ。

 私は、この2,3年、高校野球というものを、いい意味で「冷静に」、悪い意味で「冷めた」目線で見ようとしている。以前は、フェンス前にしがみついて見ているような感じだったが、段々その距離を離して、最終的には外野の芝生で寝転がって見る。それくらい気楽に見ていきたいと思っている。決して、高校野球を嫌いになったわけではない。でも、距離を離して見てみたら、また新たな魅力を見い出せるかもしれないと思っている。

 この本を読んで、そんな私の方針は間違っていないんだと思えたのだ。

 一番印象に残っているシーンは、0−122の試合で、レフトを守る1年生選手が、スタンドから「球来てもとれねえだろ」と野次られたところだ。文中には「戸惑う」という言葉しか書かれていなかったが、この時の彼の心境がもっと知りたいと思った。そして、知るはずもないそのときの光景が脳裏に鮮やかに浮かんだ。すごく不思議な感覚だった。

 この作品のすばらしいところは、単に深浦高校のことにスポットを当てるのではなく、対戦相手の東奥義塾高校の選手や関係者の心境もしっかり汲んでいるし、また球場にいた新聞記者やアナウンサーや審判等、さまざまな人からみた「0−122」がしっかり書かれているところだ。感じ方や考え方は本当に多彩だし、だからこそ面白い。人の数だけ野球がある。改めてそう痛感した。