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| 2019年07月03日(水) ■ |
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| 私は今回だけは、アンバランスを受け入れます |
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映画「オリエント急行殺人事件」(ケネス・ブラナー監督)から。 映画館で本作品を妻と鑑賞後、図書館で原作を借りて読み、 さらに1974年に映画化された「オリエント急行殺人事件(1974)」を DVDで鑑賞したあと、改めて台詞をメモしながら鑑賞したら、 1回目の映画館では気付かなかったことが溢れていた。(汗) 主人公の名探偵ポアロが発する言葉には、1つ1つに意味があり、 そんな伏線があったのか・・と思うこともしばしば。 ミステリー作品は、謎解きが楽しいはずなのに、 結末がわかっていても、引き込まれてしまうのは、 やはり、原作の素晴らしさとキャストの演技力に尽きる。 冒頭「誰がどう言おうと、この世には『善』と『悪』しかない。 その中間はない」と断言し、事件解決(謎解き)に 「必要なのは証拠、秩序、筋道だ」を胸を張る。 その考え方で、世界で起きる幾多の事件を解決してきた自信が、 言葉のあちこちから感じられて、頼もしかった。 しかしラストに再度「世の中には『善』と『悪』がある」と言いながら、 乗客全員にこう説明する。 「今の私に必要なのは、耳を傾けることです。私の心の声に。 皆さん、この事件では『善』と『悪』を図る天秤がうまく釣り合いません。 私は今回だけは、アンバランスを受け入れます」 このワンフレーズは、心の葛藤が表現されていて印象的だったなぁ。
P.S. ちなみに「オリエント急行殺人事件(1974)」の「気になる一言」も 「良心と一騎打ちをしよう」でした。
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