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| 2018年07月10日(火) ■ |
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| つながらないっていうのは、切ないね |
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書籍「長いお別れ」(中島京子著・文藝春秋刊・263頁)から。 認知症が少しずつ進む父親の変化を、娘はしっかり見つめていた。 初めは、お父さん、どうしちゃったの?、しっかりしてよ、とか、 こんな忙しいときにまったく、いい加減にしてよ、と思いながら、 接していたに違いない。 その接し方が、すこしずつ変わり始め、この病気に対して、 しっかりとした捉え方をしているな、と嬉しくなった。 「おそらくは、何か言いたいことがあって、 言えないもどかしさもあるだろうと想像するのだが、 まるで聞いたことのない言葉を繰り返す老人の前に、 何一つしてあげられなくて困っていると、 相手は悲しげに伝えることを諦め、あるいは忘れて、 ますますここではないどこかへ帰りたがってしまうのだ ねぇ、お父さん。つながらないっていうのは、切ないね」 認知症という病気は、少しずつ記憶を失くして、 ゆっくりゆっくり遠ざかっていくから、 「長いお別れ」(ロンググッパイ)と呼ぶことを知った。 一番辛いのは、やっぱり本人なんだろうなぁ。
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