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| 2016年04月09日(土) ■ |
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| 本土決戦となれば、もう桜は咲かんな |
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この数週間、帰宅後に立ち上げるSNSの写真投稿は、桜三昧。 例年以上に、日本人の桜好きが際立った春、という気がする。 桜の名所だけでなく、自分の身近な場所で見つけた桜など、 驚くほどの「桜」が、私の目の前を通過していった。 プライベードの日記では、写真の投稿をしない私は、 桜を観ながら「文字」が浮かぶ。(笑) 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」(ことわざ)だったり、 「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛)や 「さまざまのこと思い出す桜かな」(芭蕉)など、 その時々によって、桜に対する想いがあり、面白かった。 しかし、今年はちょっと違ったフレーズが頭から離れなかった。 映画「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)で、 太平洋戦争の末期、「本土決戦」か「無条件降伏」かを悩む 鈴木貫太郎首相を演じた山崎努さんが、車の中から桜を眺め呟く。 「本土決戦となれば、もう桜は咲かんな」 今、全国の多くの国民が、スマホ等で桜の写真を撮り、 幸せそうなコメントとともに、アップすることが出来るのは、 あの時、アメリカとの本土決戦を選ばず、無条件降伏を選択した、 昭和天皇を始めとした、日本の閣僚たちの先見性だと私は思う。 どんなに辛い生活が待っていようとも、春になると必ず咲き、 私たちを癒してくれた、日本の象徴とも言える「桜」。 「うぁ〜、きれい」と撮るだけでなく、桜をじっくり眺め、 さまざまなことを思い出して欲しい、芭蕉のように。
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