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| 2015年12月27日(日) ■ |
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| 結果がでるのは、おいらが死んだあとなんや |
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映画「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」 (矢口史靖監督)から。 時代のスピードが速い分、誰もがすぐに結果を求める傾向にあるが、 この映画は、そんな考えを蹴飛ばしてくれる作品、と言える。 林業の素晴らしさ、いや林業に携わっている人たちの考え方が、 観ている私たちに、多くのことを気付かせてくれた。 自分たちが伐採してきた木を、わが子のように眺め、こう自慢する。 「よそのに比べて、うちのは節もないし、 レコード盤みたいに年輪が細かで均等やろ?。105年の間、 先祖が丁寧に枝打ちして、間伐したから、こういう木になるんや」 そして、こんなに高く売れるなら全部売っちゃえば?という主人公に、 「自分が生きとるうちのことしか考えとらんやろ」と叱り飛ばす。 種を蒔いた農作物が、半年もすれば収穫できる農業を比べて 「林業はそうはいかん。ええ仕事をしたかどうか、 結果がでるのは、おいらが死んだあとなんや」と嬉しそうに話す。 全てが「まぁ、なあなあやな」という言葉で片付けてしまうが、 「なあなあ」とは、神去村の人々の口蔵であり、 「ゆっくり行こう」「まぁ、落ち着け」といったニュアンスらしい。 村民全体が、すぐに結果を求めず、限られた時間を丁寧に生きている、 そんな感じさえした。 三世代で「木を育て、林を育て、森を育てている」感覚が心地よい。 林業という職業は、技術だけでなく、人生観が大切だな、きっと。
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