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| 2015年12月24日(木) ■ |
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| 人間の感情は芸術品と同じ・・偽造できる。 |
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映画「鑑定人と顔のない依頼人」 (ジュゼッペ・トルナトーレ監督)から。 ちょっと洒落た邦題と、予告編につられて鑑賞したが、 後味の悪い終わり方に、やや期待が裏切られた気がする。 原題は「La migliore offerta」(イタリア語)で「最高付け値」、 それなら、ラストシーンのドンデン返しも、 この人間関係こそが「最高付け値」だったなぁ、と笑えたのに。 鑑定士が主人公なので、何度か耳にすることとなった 「いかなる贋作の中にも、必ず本物が潜む」を選ぼうと思ったが、 なかなか、そのフレーズだけで本作を思い出すまでに至らない。 だから「人間の感情は芸術品と同じ・・偽造できる」とした。 この後「まるで本物に見える。だが、偽りだ」と続く。 「偽り?」と聞き返す人に対して「何事も偽造できるのだ」と言い、 「喜び、悲しみ、憎しみ、病気、回復、愛さえも」と言い切る。 それが見分けられるかどうか、鑑定士の腕の見せ所となるのだが、 人間の心は、芸術品よりも難しく、簡単に鑑定できない。 そして、その鑑定ミスは「最高付け値」に繋がっていく。 やはり、邦題より原題の方がよかったなぁ。
P.S. 「歯車は人間みたいなもの。 長年組み合わさっていると相手の形状に似てくる」 この台詞は、とても深い意味がありそうだったなぁ。
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