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| 2015年10月22日(木) ■ |
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| どんなことで人に感謝されていたか、私は覚えておきます。 |
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映画「悼む人」(堤幸彦監督)から。 事件や事故に巻き込まれて亡くなった人々を「悼む」ため 全国を放浪する青年の決め台詞である。 やや省略してしまったが、突然ある出来事で亡くなってしまった、 誰にも別れを告げず亡くなってしまった人たちの無念さを、 親友の突然の死を受け止められなかった自分が 「悼む」という行為でなんとか償いたい、そんな想いだろうか。 まず、亡くなった人の肉親や友人、知人に 「誰に愛され誰を愛し、どんなことで人に感謝されていましたか?」 と訊ね歩き「そんなあなたが確かに生きていたということを、 私は覚えておきます」と追悼の行為を繰り返す。 誰だって、人に迷惑をかけたまま死にたくないし、 誰かに感謝されることで、自分がこの世に生きていた意味を知る。 それは多くの人たちではなくても、たった一人にでも感謝される、 それが私がこの世に生を受け、生き続けてきた証、ということ。 どんなに偉い人でも、死んだら忘れられてしまうのも常。 だから、私が生きている限り「あなたを忘れません」という言葉が とても輝いてくるに違いない。 偶然にも、映画「まほろ駅前狂騒曲」で同じようなシーンがある。 「死ぬのが怖い」というより「忘れられるのが辛い」、 そんな感覚なのだろうか。 私も出来る限り、この世で縁あって出会って他界した人たちは、 墓参りが出来なくても、思い出すようにしたいな。
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