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| 2014年05月24日(土) ■ |
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| 相手が立ったら手を放してやらないとな。 |
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書籍「十二国記(華胥の幽夢)」の中の(帰山)、 小野不由美著・講談社X文庫刊・365頁)から。 利広と風漢の2人は酒を酌み交わしつつ、 安定した治世が120年続いていた柳国が傾きつつあるという話を 語り合った。利広が長年の経験から心得ていたことは、 「国が傾きつつあるというのに、住人たちの様子が明るい。 これは国が危険な状態にある証拠だと」。 また「表面上は、何の問題もないふう、 しかしその奥底には無数の亀裂が入っている」と分析をした。 そんな話を読みながら、国が傾いたときの心得として 「物を送りつけるのは良くない。独立不羈の心を挫いてしまうからな」、 と、やや厳しい言葉にも、納得してしまった。 「荒民にとって一番必要なものは、辛抱することと希望を失わないことだ。 我々が援助してやることは必要だが、 相手が立ったら手を放してやらないとな」 と、我々が陥りやすい支援の仕方に釘を刺した形が、印象深かった。 いつまでもいつまでも、援助してやれないのだから、 自立心を育てるためにも、心を鬼にして突き放す・・なるほどなぁ。
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