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しもさんの「気になる一言」
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2014年05月21日(水)
やはりあの頃は、国民が熱狂的に燃えていましたね

書籍「日本史七つの謎」
(松本清張・井上ひさし他・講談社文庫刊・252頁)から。
受験勉強でない「日本史」は、不思議がいっぱいあって非常に面白い。
どの項目も、著名人3人の鼎談形式で進められている。
(1) 大化の改新は本当にあったのか
(2) 短詩形文学はなぜ日本文学の中心なのか
(3) 武家政権はなぜ天皇を立て続けたのか
(4) 織田、豊臣、徳川がなぜ天下をとれたのか
(5) 薩長はなぜ徳川幕府を倒せたか
(6) 太平洋戦争はなぜ始まったか
(7) 高度成長はなぜ可能だったか
この中から、今回選んだのは、やはり「太平洋戦争」編。
「太平洋戦争はなぜ始まったか」
(井上ひさし・森本忠夫・大江志乃夫)(敬称略)
「真珠湾攻撃から敗戦まで」の経過は、いろいろな資料があるが、
当時の日本は『三正面作戦』をやったわけです。第一の正面はソ満国境、
二番目は中国戦線、三番目は太平洋でしょう。いわば四面楚歌ですよ。」
いくらなんでも「太平洋」は無理でしょ、とサルでもわかるのに、
どうして、日本は太平洋戦争はじめてしまったのか、
なかなか納得する答えがなかったが、この本でヒントを見つけた。
井上ひさしさんが、やや興奮気味に語っているシーンがある。
「やはりあの頃は、国民が熱狂的に燃えていましたね。
僕は天皇の戦争責任という言葉を聞くたびに、
たしかに天皇にも責任はあるよ、ただ、天皇の責任といった瞬間に、
国民の責任が消えてしまうのは、どんなものかと、いつも思うんですよ」
戦争は軍人がするものだし、戦争をすれば景気がどんどんよくなる、
だから、国民が太平洋戦争に躊躇していた軍部を後押しした、
そんな解釈に、なるほどなぁ、と思った。
「負けた理由」は、後からいくらでも見つかる。
そして、すべて「国・政府・軍部が悪い」としている気がするのは、
私の考えすぎだろうか。