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| 2014年03月17日(月) ■ |
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| 民は迷う君主を信じやしない。 |
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書籍「十二国記(風の万里、黎明の空)」(小野不由美著・ 新潮文庫刊・上350頁・下370頁・計720頁)から。 十二の国に、一人ずつしかしない、麒麟に選ばれた国王。 だから、国を治める話が多いのも頷ける。 少し前まで女子高校生だった主人公・陽子が、 突然、麒麟に選ばれて、一国の統治を任される。 その設定こそ、何もないところから、悩み、苦しみ、 試行錯誤しながらも、少しずつ国を作り上げていく、 醍醐味みたいなものを感じる要因となっている。 自治体の首長や、戦国武将の気持ちに通じるようだ。 他の国の王が、経験を踏まえてこうアドバイスをする。 「頼りになる官を見つけることだな。 国を治めるということは実はつらい。 だが、民は迷う君主を信じやしない。 統治に苦しむ姿をみせてはならぬ。 迷っている時は、吟味していると言え」 これは国王だけでなく、小さな組織でも同じこと。 リーダーが迷っていては、部下はついてこないから。 勉強になる、SFファンタジーである。
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