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| 2014年03月11日(火) ■ |
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| 海水に、下水やガソリンが混じって凄い臭いで・・ |
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映画「遺体 明日への十日間」(君塚良一監督)から。 3.11(東日本大震災)を題材にした映画をこれまでも何本か観てきたが、 私は、この作品の取り上げ方が一番納得できた気がする。 当時の津波映像が使われるのは、あまりにもリアル過ぎて、 被災者のフラッシュバックを考えると賛成できないし、 かといって、お涙頂戴的に、妙に「絆」を強調する作品は、 映画とわかっていても、リアル感が感じられない。 今回の作品は、今までマスコミなどがスポットを当てなかった 「遺体安置所」という場の設定と、徹底取材にも基づいた、 五感をフル活用した台詞などが、私を驚かせた。 マスコミは、津波映像に代表されるように、 視覚を中心に「3.11」の悲惨さを伝えようとするが、 視聴者にはなかなか伝わってこないのが現実。 だからこそ、津波現場から戻った人の台詞は、重たかった。 「海水に、下水やガソリンが混じって凄い臭いで・・」という嗅覚や、 (遺体に向かって)「寒くないですか?」と話しかけるシーンや、 「暖かいお茶、ありませんか?」と触覚を通して寒さを伝えるシーン、 さらには、日蓮宗のお上人さんが、悲しみや辛さからかお経に詰まり、 お経独特のリズムが崩れるといった、聴覚で表現した悲惨さが、 視覚からもたらされる映像以上に伝わってきた。 東北の人たちは、当時のことを多く語らないけれど、 「海水に、下水やガソリンが混じって凄い臭いで・・」の台詞で、 頷く人たちも多いのではないだろうか。 実は、この表現された臭い、1つひとつは想像できるのだが、 混じった臭いが、なかなか頭の中で想像つかないのは、 私が視覚ばかりに頼っていたからに他ならない。 視覚以外に訴えた「3.11関連作品」、図書館で探してみようと。
P.S. 番組冒頭に「2016 いわて国体」と書かれた「のぼり旗」を発見。 そうか、あと2年後は「いわて国体」なんだな。
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