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| 2013年07月26日(金) ■ |
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| 色彩に与えられた役目 |
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書籍「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 (村上春樹著・文藝春秋刊・370頁)から。 推理小説かと思うほど、なぞは多いけれど、 かえって、村上春樹文学の内容分析より、 小説内に登場する「言葉」に集中できて、楽しかった。 もちろん、気になるフレーズのメモは溢れたが、 今回、私が選んだのは「色彩に与えられた役目」。 「模様をどのように生かすか、どのように浮かび上がられるか、 それが色彩に与えられた役目だった。色彩は、ごく淡く、寡黙に、 しかし、効果的に模様の背景を担っていた」の一部。 主人公は「色彩を持たない(模様の)多崎つくる」であり、 「赤・青・白・黒・灰・緑」は、全て模様の背景として登場する。 また「色彩を欠いた多崎つくる」という表現の後、 「色彩を持たない多崎つくる」へと変化していく過程は、 メモ魔の私としては、面白かった。 多崎つくるは「色彩ではなく模様」だったから・・と確信した。 沙羅は、その色たちを主人公の周りに調和して配置してた曼荼羅、 そんな位置づけで眺めていた。 本当はもっと奥が深い小説なんだろうなぁ、と思いながらも、 気持ちよく、1日で読み終えた作品である。
P.S 第3章の最後(51頁)と第4章の最初(52頁)に、同じフレーズが登場する。 「その男とは、大学のプールで知り合った。」 こればかりは「謎」ではなく「意図」が知りたい。
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