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2013年07月18日(木)
「士魂商才」と「堪忍柳画賛」

書籍「海賊とよばれた男」(百田尚樹著・講談社刊・
上巻380頁・下巻362頁・計742頁)から。
昔、同級生がこんな川柳を口にしたのを覚えている。
「偉人伝 お疲れ様と 読み終えり」
まさに、主人公に「お疲れ様でした」と声を掛けたくなった。
多くのメモから、私が選んだのは、2つの言葉。
「士魂商才」(武士の心を持って、商いせよ)は、
彼が、儲かる、儲からないではなく、正しいか、正しくないか、
人の道を踏み外していないか、そんな判断の心をもって、
商売をしてきた、そんな気がしたからだ。
また、仙厓和尚(江戸時代)が描いた、風になびく柳の絵
「堪忍柳画賛」(気に入らぬ 風もあろうに 柳かな)
「いろいろな軋轢や衝突をうまく受け流し、
大地にしっかり根を下ろせ」という意味で使われている。
いかにも大きな敵と戦ってきたイメージがあるが、
読み終えると、爽やかさが残るのは、このためだろう。
「戦いはあえて敵の懐に飛び込まねばならぬ時もある」
そう言った戦術は、柳でなくちゃ出来ないものなぁ。
今の時代にも通じる考え方に違いない。