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| 2013年07月08日(月) ■ |
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| 根拠のない自信が、ああいう事態を招いたんだ。 |
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映画「BRAVE HEARTS 海猿」(羽住英一郎監督)から。 作品冒頭、主人公・仙崎大輔は、 上司から「撤退」を指示されたにもかかわらず無視して、 結果オーライで、人命救助に成功するシーン。 「なぜ、命令に従わないんだ?」という叱りに対し、 「俺は全員を助けたいんです」と、正義感溢れて言い返す。 「なるほど、その歳で特救隊に入ろうなんて奴は、 そういうことを平気で口に出来るわけか。 結局は、お前が仲間に救助されてる。俺に言わせれば、 ああいう状況を作ってしまったこと自体が、既に失敗なんだ。 そして今日も、お前は同じミスをした。 根拠のない自信が、ああいう事態を招いたんだ。 いいか、レスキューに必要なのは、スキルと冷静な判断力だ」 こう言い返すチームのリーダーに共感を覚えた。 「希望がある限り、絶対あきらめるな」という教えもあるが、 正義感だけで人命救助をするのは、無茶すぎる。 主人公だから死ぬことはないだろう、と思う客観的な目と、 もしこれで死んだら誰の責任になるんだろうか、という リアルな感覚がいり混じって、いつも不安になる。 「自分はこの場面、あの人を助けられる」という自信は、 実は何も根拠がなく、周りで見ている同僚は落ち着かない。 その心境を言葉にすると、 「根拠のない自信が、ああいう事態を招いたんだ」 上司の命令や同僚の反対を押し切って行動するのであれば、 「根拠のあるデータ」を示してからでも遅くない。 「命を懸けて命を救う仕事」だからこそ、そう願いたい。 それでは、映画にならないよ、という関係者の声が、 聞こえてきそうだな。(汗)
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