
|
 |
| 2013年06月21日(金) ■ |
 |
| みなさん、助けてあげましょうね |
 |
映画「ニライカナイからの手紙」(熊澤尚人監督)から。 沖縄・竹富島を舞台に展開される、手紙を通した母娘の物語だが、 その根底に、島全体でその母娘を支える「うつぐみ」という仕組みが 私には素晴らしいと感じた。 母は大病を患い、東京でとっくに他界しているにも関わらず、 娘が20歳になるまでは気付かせないように、島民全体で協力する。 その選択が正しかったかどうかは、別問題として、 「その時々に、島にとって何がほんとうに重要なのかということを、 みんなが集まり、みんなで話し合い、一度決めたことは、 みんなで協力することこそ、優れて賢いことだ」という考え方が、 心に響いた。 農繁期に、お互い助け合う「結い」という制度にも感心させられたが、 今回の「うつぐみ」という連帯感には、さらに驚かされた。 誰でも、どんな理由でも、困っているから助けよう、という想いが、 年配の女性が、集った島民に投げ掛けた一言 「みなさん、助けてあげましょうね」が全てを物語っている。 蛇足になるが、こんな電子メール全盛の時代に、不覚にも 「郵便配達という仕事、素敵だな」と感じてしまい、 「手紙」という単語が題名に付く映画にハマりそうな予感がする。 出してからすぐ返事が届かないからこそ、想いが熟成するんだな、 そんなことを感じて、観終わった。
|
|