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| 2013年02月18日(月) ■ |
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| 右手の商業施設『サンパーク』の灯り |
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書籍「本ボシ」(曽根圭介著・講談社文庫刊・481頁)から。 著者が静岡県出身、いや詳しくは近隣の「沼津市」出身。 「第53回江戸川乱歩賞」受賞後の作品は、地元を舞台に・・という コメントを耳にしていたので、楽しみにしながら読んだ。 ぐいぐい引き込まれていく小説としての面白さもさることながら、 舞台となった地元の地名が、そのリアル感を倍加させている気がした。 「駿東郡清水町は、伊豆半島の付け根に位置し、旧東海道の宿場町、 三島と沼津の中ほどにある」と紹介してくれたかと思えば、 「都会と違って、娯楽が少ない地方都市では、週末や休日ともなれば、 遠出をする予定のない者が集るのは、郊外型ショッピングモールか、 パチンコ屋と相場が決まっている」と厳しい指摘。(汗) 「坂田さん。しばらく『見守り隊』は続けますから、 協力してもらえませんかね」という生活感溢れる表現や、 「対岸にある焼却炉の煙突が、青い空に、白い線を引いている」と 情景も的確に捉えられていて、ますます引き込まれる。 「左手に広がる柿田川公園のうっそうとした雑木林の暗がりとは対照的に、 右手の商業施設『サンパーク』の灯りは、煌々と周囲を照らしている」 もちろん、商業施設名は営業に関係するから変更したのだろうが、 近くに「サンパーク」というスナックが存在するから、苦笑いした。 (たぶん、著者はそこまで調べてないと思うけれど・・(笑)) 最近では、全国的に、まちづくり・観光の活性化も兼ねて、 映画の撮影を支援しようと、フィルムコミッションが頑張っているが、 私は、作家を支援して、小説の舞台にしてもらう方が楽しい気がする。 これって、新しいまちづくりにならないかなぁ。
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