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| 2012年12月26日(水) ■ |
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| 家族の世話をするのが、そんなに立派? |
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映画「マルタのやさしい刺繍」(ベティナ・オベルリ監督)から。 80歳の女性、マルタが夫に先立たれて気力を失っていたが、 ふさぎがちな彼女を心配していた友人たちの後押しで、 若かりし頃の夢であった「ランジェリー・ショップ」を オープンさせようとするが、このささやかな計画は、 昔ながらの保守的な考え方が支配的な村では、非難の的。 「それでも、牧師の母親か?」から始まり、仲の良い友人にも 「遠い過去の夢を今さら違うの?」「笑いものになるつもり?」 「わきまえを忘れてはいけないわ」となだめられて、 ついに友人にも言い返した台詞が、気になる一言。 「あなたみたいに、家族の世話をするのが、そんなに立派? そんな偉そうに言うもんじゃないわ」 こう言い返したシーン、スッキリした感覚が私の胸に残った。 もちろん「新しいことに挑発するあなたに立派ですよ」とか 「開店するの、村に文化の香りを入れるのよ」と 少しずつであるが、励ましてくれる人たちも増えていき、 彼女が夢を叶えようとする、諦めない心、行動こそが、 今まで保守的だった人々の心を動かした、と言えそうだ。 「彼女は私たちの人生を豊かにしてくれた」 「みつけたの、生きがいを」 「喜びもね。そう生きる喜びよ、歳は関係ない」 仲間たちにそう言われる生き方って、すごく魅力的である。 自分の生き方が、他人の生き方に刺激を与えるなんて、 マルタばあさん、なかなかやるなぁ。
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