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| 2011年10月22日(土) ■ |
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| ヤコブ牧師 郵便ですよ〜 |
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映画「ヤコブへの手紙」(クラウス・ハロ監督)から。 フィンランド映画らしい、静かな作品の中にも、 人間そのものにスポットを当てた作品として評価したい。 恩赦を受けて12年ぶりに刑務所を出所した女性が、 ヤコブ牧師と一緒に過ごす間に、少しずつ心を開いていく物語。 盲目の牧師宛に、毎日のように悩み相談や、 お祈りを依頼する手紙が届き、それにひとつずつ丁寧に返事を出す。 なぜか「手紙」の持つ意味に、心が震えるのを覚えた。 しかし、世界中から寄せられる、その手紙を 一番楽しみにしていたのは、ヤコブ牧師、本人であった。 手紙を受け取ることで、自分の存在価値を見いだし、 自分の使命のように生きがいを感じていた、とも言えそうだ。 郵便配達人の自転車の音にさえ、ワクワク感を感じ、 遠くから聞こえる「ヤコブ牧師 郵便ですよ〜」の掛け声に、 高齢で盲目である彼の生気がみなぎるのが、わかった。 今の時代の「携帯メールの着信音」に等しい気がする。 自分宛に、手紙・メールが届くのは、いつの世も嬉しいもの。 だからって、そう頻繁に届くはずがないのに、 一日に何度もメールを確認する人たちの気持ちが理解できた。 物語内の「ヤコブ牧師 郵便ですよ〜」って掛け声は、 「ユー・ガット・メール」と呟くメール着信音と同じだな、きっと。
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