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| 2009年10月07日(水) ■ |
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| どうだ、ここまでできるか |
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箱根の成川美術館で聴いた、支配人による名画鑑賞の解説から。 学芸員ではないので・・と前置きをしておきながらも、 支配人ならでは、裏話も交え、あっという間の1時間。 音声ガイドや、学芸員による解説もいいけれど、 私は、やっぱり生声の、それも裏話たっぷりの解説が 一番、お気に入りである。(笑) 今回の気になる一言は、日本画の巨匠、平山郁夫画伯の絵、 「黄金色」をふんだんに使った「シルクロード」関連の絵の前で、 若い画家に向けた、平山氏のメッセージとして紹介してくれた、 支配人が呟いた一言。 「この絵には、金(きん)が大量に使われています。 言い換えれば、よほどの収入がないとこの色は出せない。 この色が出せるように、もっと頑張りなさい」 という巨匠からの叱咤激励だろうか。 「どうだ、ここまでできるか」は成金趣味ではなく、 この「黄金色」(おうごんしょく)を出すために、 これでもか、と金(きん)を思う存分に使用して描いた絵は、 こんな輝きがあるんだ、と訴えかけているようだ。 巨額の富を得たにもかかわらず、 それをまた、自分の描く絵に還元する姿勢が素敵だと思う。 日本画ならではの色に違いない。 そんな視点で、平山郁夫画伯の作品を観てみると新しい発見がある。
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