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| 2003年04月22日(火) ■ |
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| 落款(らっかん)は、女性の唇と同じ |
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若手の書家、柿沼康二さんが「空」という字を書き上げ、 最後に、朱肉のついた「落款(らっかん)」を丁寧に押すシーンが 私のアンテナに引っかかった。 絵画でも書でも、サインとは別に押される印である。 この落款を、女性の唇に例えたところが面白かった。 押す位置も全体のバランスを考えて決める。 たぶん、朱肉の色も違うのだろう。 主の「字」や「絵」より目立ってはいけないけれど、 自分なりの自己主張する、それが「落款(らっかん)」であろう。 サインの横でもないし、右下でなければいけない・・ かといってどこでもいいというわけではない。 その小さな落款ひとつで、全体のバランスが崩れることだってある。 だからこそ、最後の仕上げに押す落款に、全集中を傾ける。 考えれば考えるほど、口紅を塗った唇だ、と苦笑いをした。 男性だとネクタイかな?などと想像を膨らませてみた。 今度、書や絵画を見る機会があったら、こんな視点を思い出して欲しい。 きっと、美術館が好きになるはずだから・・。
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