::クロノ・クロス(CHRONO CROSS) 2002年07月31日(水)

「おまえの世界にも、おれはいるのか?」
「・・・・・。」



媒体を経て、違う時空の彼方から集まった仲間達。
彼は今まで何度戦ったんだろうと、ただ笑っていた。




「知ってるだろうけど、全ての世界がまるで同じってわけじゃあないんだ。
 あたいらが介入したところがあれば、してないところだってあるだろう。
 けど・・・こうして集まった奴らでの世界の共通点は介入したってことだ。」
「・・・ああ。」
「もちろん、おまえが知ってるような2パターンの世界があるわけだけど・・・
 あたいの方では・・・。」
「うん・・・。」




なんとなく、わかってしまった。
言うべきか言わぬべきか、困惑している瞳をしていて。




「ま、違う世界のおれなんて、気にしてもしょーがないか!」
「え?」
「ここはここ、あっちはあっちてな。
 おまえの方のおれがどうであっても、ここにおれはいる。
 それでいっか。」
「・・・ああ!その通りだよ!」




君はいつも後ろめたそうな顔をしていたよ。

感情を無理矢理押し殺そうとしている君は、とても悲しかったから。




「ねぇ。」
「うん?」
「あたいも、一緒に行くよ。最後の戦い。」
「え!?」
「セルジュもキッドも、承知してくれた。」




彼女の名を口にするのは初めて聞いた。

意外そうな顔をしているのを、彼女は笑った。




「ははっ、そんな顔しなくたっていいじゃない?
 確かに前は大ッキライだったけどサ、そんなのもう昔の話だし。
 感謝してるんだよ。」
「・・・へぇ。」




何に、とは聞かなかった。




「あれと戦うことは、あたいの中の決別でもあるんだ。
 この世界にとって、あたいは悪だから・・・。」




彼女と、彼等の願いにより生み落とされた、七人目。
何者にもなれないこの体と、彼女と彼等の望みをこの胸に抱きしめて




走った。




泣くことも出来ず
捨てることも出来ずに
あてもなく
彷徨った









在るべき場所なんて
知らなかったから。




存在理由は
ただただこの世界を
憎むこと




・・・・・




だったのに




「でも、見つけちゃったんだよね・・・。」




在りたいと、願ってやまない場所を。




それすらも、あそこでは壊されてしまったけれど




「ここでは、守りたいから。
 もう一度。
 だから戦うんだ。
 もしかしたら・・・戦えなくなっちゃうかもしれない。
 でも、守りたいんだ。どうしても。」




ぽんっと、頭を軽くたたかれた。




「ま、がんばれよ!
 でもな・・・おまえはもう独りじゃないんだよ。
 辛くなっても、万一戦えなくなっても、後ろにはおれが・・・
 おれ達がいるんだ。
 だから、安心しろ。
 落ち着いてがんばれよ、その守りたいってモノを守るために。
 

 おれも、がんばるから・・・。」




じゃ、後でなって背を向けて歩いていく。
その後ろ姿は、なんだか・・・




「頼もしくなったよねー・・・。」




在りたいと思うのは、君の側。


もう永遠に叶わぬ望みだと思っていた。


こうして君に、再び出会うまでは。





ただ一時の幸せ


大切にしたい時間が


ここに在る。









クロノ・クロス









今、時が交わる。










---------------------------------------------(作成日・7月25日
                        Up時・8月1日)


ツクヨミがいた世界は、龍神が攻撃して人間が一人もいなくなった世界です。
だから、彼女は壊されたと言っているんですね。


アオイさんに捧げますvv



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