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2006年11月03日(金) 楽器

今日はちょっとおもしろい機会がめぐってきました。私の知人が楽器を買おうとしているその楽器の製作者、イーストコーストに在住の方ですが、にお目にかかることができ、その方の楽器を2種類ひかせていただく機会に恵まれました。楽器を買おうとしている私の知人のところにその方が楽器を持ってきたようでした。昨日の時点では私の知人が製作者の方がステイしているLAへ行くとの話でしたので、ご一緒させていただくことに興味はありましたが、たくさん組まれた生徒たちのレッスンを突然キャンセルすることはできない、と思い、この機会を諦めていました。そんなところに、彼らの予定が変更になったようで、今日の夕方に電話があったのです。

疲れていましたし、なんとも急なことで、最初はあまり気持ちが乗らなかった、というのが本当のところでしたが、やはり行ってみてよかった。

私と夫はもう夕食も終えたころ、10時近くになり、知人のお宅にお邪魔することになりました。お宅に着くなり、「これらがその楽器だよ、弾いてみれば?」とジャケットも脱ぐ間もなく楽器を渡されました。(笑)手も少しかじかんでいる感じだったので、知人に「ちょっと寒いからよかったらまず弾いてみてくれない?」とお願いしましたが、「ウォームアップしながらでもいいんじゃない?」彼もちょっと電話をかけなければいけなかったようなので、(笑)、少しづつウォームアップをするようなつもりで楽器との対話をはじめました。

正直にいって、ちょっと弾きはじめて、すぐに私はあまり興味がもてない楽器だな...という印象が芽生えました。でも、その楽器を買うことになっている知人と製作者の目の前ではとりあえす、いいかもね、と言うしかありませんでした。(笑)

製作者の方は私が演奏を始めるなり、突然目の色を変え、私が本当に楽器としっかりと対話をしようとする人だ、ということを感じ取ってくださったようで、あなたはこの楽器のいいところを引き出すことができる演奏者ですね、とおっしゃってくれました。他にも3人の人間が同じ二つの楽器を交互に演奏しましたが、私の目からみると(耳から聞くと?)私以外の方々は本当に真剣に深く楽器と向き合っているようには見えませんでした。ある意味、製作者の方と私だけで通じあえる何かがあったようで、ものすごく貴重な経験をさせていただいたような気がしました。帰り際にも、製作者の方は、私の楽器を弾いてくれてありがとう、というお言葉をくださり、私はとても嬉しく思いました。

ただ、私であれば、あの楽器は絶対に買わない、そう思ったのは確かです。製作者の方とお話することを通して、お人柄や考え方には賛同できることもたくさんありそうでしたが、やはり、楽器とお付き合いをすることになる、ということを考えたとき、その音色や音の出方は好きになれそうにありませんでしたし、私はその楽器がお値段に(170万円ほど)見合わないと判断しました。

この気持ちは一緒に来てくれた夫にだけそおっと伝えておきました。(笑)

楽器選び...相性や可能性を考えながら、できるだけたくさんの楽器と対話をしてみたいものです。といっても、この世界中のすべての楽器を試せるわけでもないので、縁もありますが。(笑)


けい |MAIL

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