ぶつぶつ日記
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2006年06月25日(日) 親の心、子知らず。子の心も、親知らず。

奈良の放火母子死亡事件は、なんともやりきれない感じですね。
親は親なりにいっしょうけんめいだったかもしれないですけど、
子どもの心には届かなかったわけです。
思春期、血のつながった家族でも難しいのに、
別の問題要素も入っていれば、
子どもの心のどろどろは、より大きくなってしまうのは、
簡単に想像できますよね・・・。
もちろん、だからといって、家族に危害を与えるようなことは、
してはいけないのですが。

この事件を見て、ちょっと前に聞いた話を思い出しました。
裕福なご家庭、長女と年が離れて待望の長男誕生。
親は、甘やかせてはよくない、
これからの人間、もっと広い世界を見ないと・・・
ということで、小学生からアメリカに留学させることに。
でも、息子さんは泣いて嫌がったそうです。

数年後の今。
息子さんは、日本に対して何の興味も評価もしない子どもになっているそうな。
日本を教えようと親が色々な機会を作っても、
アメリカと比べて、「つまらない」と。
親御さんは今、大変あせっているらしい。
でも、こういうことって想像できませんでしたか?と思います。
小学生って、まだ「〜人」って固まっていないと思うんですよ。
人間として形成されてきている時期で、
その中で、生活している国の文化や風習になじみ、
家族とともに、「〜人」としてのアイデンティティを作っていく。
だから、「日本人」としてのアイデンティティなんて身についてないし、
身につけなくてはいけないという意識もない。
そんな中で、1人「アメリカ」という国で生活しているのですから、
彼が立派な「アメリカ人」になりつつあっても仕方ないと思います。
そして、本当に子どものことを考えて留学させるのであれば、
親は、自分の子どもが、自分たちとは違う価値観をもち、
「日本人」としては育たないリスクを認識すべきでした。
人は、生まれてすぐにその国の人間になるんじゃない、
育っていく過程でなっていくのですから。

それに・・・、親は良かれとしたことが、
子どもに理解されるとは限らないことはよくあります。
「いつかはわかってくれる・・・。」という希望が、
かなわないこともよくあること。
それが、トラウマになることも多い。
もしかしたら、この知人の知り合いの場合も、
息子さんは、自分は親に嫌われている、だからアメリカに送られるんだ、
そう思ってしまった可能性もなくはないと思います。

親子といっても、個別な人間。
お互いの心を理解するのは、難しいですね・・・。


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