ぶつぶつ日記
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2003年11月01日(土) アル・アトラール

アル・アトラールというアラビア語を最近知った。
意味を調べてみると、「残されたもの、遺跡。」そんな意味で、
ウンム・カルスームが歌っていると言うことも聞いた。

数えるほどの出会いの中で、
その人が私にくれたものは、とても大きい。
大好きな、尊敬できる人から、思いもかけず、
「あんたは、いい女だよ、いい女になった。」
と言われることほど、
女冥利に尽きるものはないんじゃないかと思う。
突然言われたそんな言葉に、どうして言いかわからず、
いつものようにおちゃらけて、はぐらかすことしかできなかった私は、
やっぱり、全然いい女なんかにはなっていないのに。
でも、胸の中がぽっこりと明るく暖かくなって、
誇らしい気持ちにもなったのだった。
その人が描く絵のような、
不思議な形をした光が、胸を満たした。

その人がもういないと言うことを知らされてから数日たって、
徐々にそれが実感となりつつある。
もう、「いい女になった。」なんて言ってもらえないのだ。
あの山間の町に行っても、もう会えないのだ。
そんなことを考えながら、手だけは動いた。
デザインを考える事もなく、
溢れるように文字が指輪に彫りこまれた。
「アル・アトラール」残されたもの。

この指輪をして、きっとあの町に行こう。
あの町の空気の中には、あの人がいる気がするから。
声が聞こえる。


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