ぶつぶつ日記
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アル・アトラールというアラビア語を最近知った。 意味を調べてみると、「残されたもの、遺跡。」そんな意味で、 ウンム・カルスームが歌っていると言うことも聞いた。
数えるほどの出会いの中で、 その人が私にくれたものは、とても大きい。 大好きな、尊敬できる人から、思いもかけず、 「あんたは、いい女だよ、いい女になった。」 と言われることほど、 女冥利に尽きるものはないんじゃないかと思う。 突然言われたそんな言葉に、どうして言いかわからず、 いつものようにおちゃらけて、はぐらかすことしかできなかった私は、 やっぱり、全然いい女なんかにはなっていないのに。 でも、胸の中がぽっこりと明るく暖かくなって、 誇らしい気持ちにもなったのだった。 その人が描く絵のような、 不思議な形をした光が、胸を満たした。
その人がもういないと言うことを知らされてから数日たって、 徐々にそれが実感となりつつある。 もう、「いい女になった。」なんて言ってもらえないのだ。 あの山間の町に行っても、もう会えないのだ。 そんなことを考えながら、手だけは動いた。 デザインを考える事もなく、 溢れるように文字が指輪に彫りこまれた。 「アル・アトラール」残されたもの。
この指輪をして、きっとあの町に行こう。 あの町の空気の中には、あの人がいる気がするから。 声が聞こえる。
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