サッカー観戦日記

2020年02月08日(土) 滋賀県1部リーグ 近江−水口東 草津東−玉川

新興私学の場合、得てして学校経営上の必要から厳しく結果を求められがちである。
「育てるサッカー」にはなかなかならない。「勝つサッカー」になるものである。両者は必ずしも矛盾しないとは言われるが、それは優秀なベテラン指導者の話であって、県内で圧倒的なタレントが集まらない新興チームの若い指導者なら、なかなかそうはならない。で、近年強化を始めた彦根の近江高校の場合、5バックのガチガチの守備的サッカーで結果を残し、学校サイドのプレッシャーのきつさを感じさせるスタイルである。今年もホーム側の作戦ボードを見て5バックと思った。しかし実際には試合表記と異なり、水口東がホーム側ベンチなのだった。

滋賀県1部リーグ
近江高校−水口東高校
2月8日 10時 ビッグレイクB 人工芝 晴

近江           水口東
−−−十八−−五七−−− −−−−−六五−−−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
二十−三六−−八十−二七 五七−五三−−七六−七二
二九−二八−−五八−三三 四六四七−五五−四八四三
−−−−−一番−−−−− −−−−−二七−−−−−

引いて自陣を固める水口東だが、近江にシンプルに回され続ける。キーマンが18番で、強くはないが、自在にポジションを入れ替えしてボールを引き出し、受ければ巧みに捌き、トリッキーなプレーも含め、起点になる。捕まえにくいのは分かるが、水口東のマークがふわふわしていて、18番を自由にさせては、このレベルでは止まらないと思った。20番は快速で、タテ突破もカットインもあるドリブラー。春には18番が9番を、20番が10番をつけているのではないかなあ?水口東はいくら引いていてもマークが曖昧ではどうにもならない。チームとしての完成度が低く参考にならない。14分、右パスを18番が決め1−0。26分、スルーパスに33が走り込み2−0。バイタルで回し続ける近江に対し、水口東のスタミナ消費も激しく、前半は2−0で終わったが、後半ばてるのは明らかだった。前半は2−0で終了。
後半開始。気迫十分の近江はまず右クロスに20が決めて3−0。48分(後半3分)18番が右シュート、4−0。更に50分、51番が左ポスト際1対1を流し込み5−0と、立ち上がり5分で勝負を決めた。61分には18番が右シュートで6−0。水口東は1トップ65が激しいチャージで近江センターバック陣に何度も勝つなど攻め手がないわけではないが、とにかく連携がなかった。逆に近江は守備陣がやや弱く、強敵相手なら今年も5バックにするのかな?という印象。更に一気に5枚替え。タッチラインに5人並ぶのは壮観だった。81分、近江、誰かが右カットイン左足シュートが左隅に。7−0。結局近江が圧勝した。ただしこのゲームでは力を図るのは難しすぎた。近江は次々にフリーになれるなど、水口東の組織力が低すぎて参考になかった。水口東もこれからだ。




滋賀県1部リーグ
草津東高校−玉川高校
2月8日 12時 ビッグレイクB 人工芝 晴


草津東は全国高校選手権準優勝経験のある名将・小林先生が定年退職されて2年目である。小林先生のチームはトータルで強かったが、もっとも威力があるのはプレッシングからのショートカウンターである。牛場先生になってから昨年は強力なセンターフォワードがいたこともあってポゼッションスタイルだったが、今年が真価を見せる年だろう。



草津東          玉川
−−−九番−−十八−−− −−−四六−−五六−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
十三−八番−−六番−七番 三一−四十−−五七−二六
二三−十一−−二番−二六 四三−七九−−五九−四九
−−−−−一番−−−−− −−−−−二八−−−−−

ニュー草津東はボランチの8番が下がってきて組み立てるポゼッションスタイル。サイドバックは上げて、後方でじっくり回しFWに当てたい。これに対し玉川ベンチ「下がるな」「もっと上げろ」ということで非常にアグレッシブに押し上げプレッシングその肝は59番と79番のセンターバックコンビで、高くてマークが激しく裏も取られない。いい選手だ。草津東9番はいい選手に見えるが、組織的に消されている。草津東は全く中盤で回せず、センターバックのロングフィードを織り交ぜ、特に11番の左足はなかなかいいが、玉川のバックラインには通じない。互角のライバル同士の対等なゲームで前半は0−0。

後半もペース変わらず、玉川はシンプルなダイレクトパス多用のショートカウンターを見せる。草津東はエースと思われる9番も下げ、だんだん持てるようになってきたが、依然として決定機を奪えない後半ロスタイム、ついに裏を取り玉川に倒されPK。これを8番が左に決め、1−0と草津東が勝利した。
双方チーム作りの過程で、近江ほど完成度高くないが、互角のいい勝負だった。今年の玉川はなかなか強いです。


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T.K. [MAIL]