サッカー観戦日記

2019年05月19日(日) 高校総体奈良大会準々決勝 香芝−奈良育英 一条−生駒

高校総体奈良大会準々決勝
香芝高校−奈良育英高校
5月19日 10時 奈良県フットボールセンターA 人工芝 晴 強風


香芝           奈良育英
−−−十一−−八番−−− −−−−−七番−−−−−
−−−−−−−−−−−− 十一−十番−−十四−十三
九番−十番−−七番−十三 −−−−−八番−−−−−
五番−十五−−三番−二番 二一−四番−−三番−二番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

双方典型的なカップ戦の戦い方。つまり安全第一で自陣からは徹底的に蹴り中盤での潰し合いが続く。奈良育英1トップ7番は高くなく、強くもなく、裏狙いのフォワード。香芝センターバックコンビも高くはない。双方エースナンバー10番が技術的にもメンタル的にも軸。奈良育英8番は強いボールも蹴れるが基本的には中盤でこぼれ球を拾う。15分、奈良育英、中盤の競り合いから裏に、7番前を向けたが後ろに落とし繋がらず。18分、奈良育英、右コーナーキック8番のこぼれをボレーで上に外すが無理な体勢だった。香芝は徐々にサイドを狙い始める。奈良育英はインサイドに3人置いているのだから、香芝のサイド狙いはセオリー通りではある。27分、奈良育英14番仕掛け右に流れた7番が香芝キーパーを外すが体勢が崩れ右シュートは弱くカバー。31分、香芝、左に展開して9番が豪快に左カットイン、中から左隅に決めて香芝先制。1−0。前半はそのまま。

前半シュート数4(2)対2(1)。決定機は1回ずつ。典型的なノーリスク主義のゲームだった。この展開だと、ミスかセットプレーかスーパープレーで決まる。この場合3つ目で決まった。

ハーフタイム、奈良育英2番→15番。言うまでもなく香芝の9番対策だろう。リーグ戦で観たときも活躍していたが、ここまでスピードがあるとは知らなかった。37分(後半2分)、香芝8番の左パスは11番に届かず。39分、香芝9番またも左カットイン、今度はパスを出しニアで8番左隅に決める。2−0。45分、奈良育英11番の左クロスに13番ヘッドは右に外れる。奈良育英はピッチ幅を使いたい4−1−4−1なのに戦術的に香芝に後れを取っていて、しかもサイドバックが上がれない。15番は守備的な右サイドバックだし。46分、奈良育英13番→20番。48分、香芝11番、左カットインシュートは弱い。決定機。奈良育英も右フリーキック8番のファーでチーム1の長身3番がシュートも上に外れる。この時間帯、香芝は完全にカウンターに切り替え9番はトップ、8番が左ハーフに移る。57分、奈良育英4番、自陣ミスを奪われ倒し警告。故意。そのフリーキック、香芝2番は3番に届かず。61分、香芝11番→14番。63分、香芝8番→19番。68分、香芝、14番から19番へ、ボレーは右に外れる。決定機。70分、香芝7番→20番。奈良育英21番に警告。ラフ。ロスタイム2分、香芝9番、またも豪快な左カットイン、右に回り込んでシュートは辛うじてブロック。決定機。結局香芝が2−0で勝利した。

香芝は持ち味の繋ぐサッカーを捨ててリアリズムに徹し、同じくリアリズムに徹した奈良育英に完勝した。9番がここまでいい選手だとは知らなかった。大学でもやれそうな選手だ。



高校総体奈良大会準々決勝
一条高校−生駒高校
5月19日 13時 奈良県フットボールセンターA 人工芝 晴 強風

一条           生駒
−−−十一−−十番−−− −−−九番−−十一−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
七番−八番−−六番−二番 十六−六番−−十番−七番
二二−四番−−三番−五番 十七−二番−−十八−三番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

双方とも今期はリーグ戦では自陣から繋ぐチームだが、カップ戦の戦い方をするかと思ったら、なんと双方とも繋ぐ。一条はセンターバックが開き、キーパーも含めたビルドアップ。生駒はセンターバックと中盤インサイドが攻撃的なコンビで支配し、右を突く。おそらく一条左サイドバック22番を自陣にくぎ付けにするためだろう。ただし風を読めず右へ出したボールがしばしばタッチラインを割る。一条インサイドは6番の守備力が素晴らしく左足でカウンターの起点になる。生駒が支配するも20分、一条22番が左を抜けシュート、キャッチ。決定機。27分には一条キーパーのフィードに22番上がり11番へ、シュートは正面に。決定機。一条のいいところは「決断」してることだ。より確実に、とか、味方が100パーセントいるから、ではなく、走り込んでいることを信じて一か八かのパスを出している。28分、一条ドリブラー10番から2番シュートは左隅、セーブ。決定機。前半0−0で終了。生駒は風下を耐えたというべきか。

ハーフタイムで生駒は14番イン。
後半開始。36分(後半1分)、右80度25mFK。一条は8番(右足)と6番(左足)が構え、6番の左足は右ポスト。決定機。44分、一条スピード豊かな2番がカットイン、11番右クロスに8番押し込む。1−0。不正確かもしれないが観づらい会場なので間違えたらご容赦を。逆サイドだし。生駒6番→4番。2トップ9番14番。インサイド11番7番、右が4番、左が16番だ。更に9番アウト13番イン。59分、一条、左タッチライン際に流れた10番が振り向きざまサイドチェンジ、見えていたか疑問だが信じて出した、を2番落とし11番蹴り込む。2−0。以降生駒は攻撃の圧を高めるがワンツーで抜け出した11番が前が空いているのに14番に戻してカットされたり、細かい攻めにこだわり一条の守備の網にかかったり、大胆さが無かったりと決定機には至らず選手交代を織り交ぜて2−0で一条が勝利した。

一条と生駒の差は「決断力」と書いたが、これは実績から来る自信の差といってもいい。戦力自体はほぼ互角に見えるが、いわゆる「自信を失ったマラドーナよりも自信のある並みの選手のほうがいい」というやつだ。生駒は一度ポンと壁を越えれば一気に強くなると思うのだが。やってるサッカーは王道だし。ただそれは今年監督が変わった一条にも言える。昨年までのショートカウンターチームではない。


 < 過去  INDEX  未来 >


T.K. [MAIL]