2017年04月17日(月) |
雑文・秋田のサッカースタジアム建設に関して |
先日、秋田県知事選と市長選でサッカースタジアムを共同公約に掲げていた現職が当選した。これによって秋田のサッカースタジアム建設の話は動き出すだろう。秋田の政治課題はあいにく存じ上げないが、サッカースタジアムが野球場や陸上競技場と比べて政治課題として不当なまでの扱いを受けているのは確かだ。
秋田の野球場と収容人数 秋田県立野球場(こまちスタジアム)25000人 秋田市八橋運動公園硬式野球場 16421人 能代球場 12000人 大仙市営太田球場 10370人 中羽立公園野球場 10000人 横手市赤坂総合公園野球場 10000人 三種町ことおか中央公園スカルパ野球場 7500人 由利本荘市本荘由利総合運動公園野球場 7000人 大仙市サン・スポーツランド協和野球場 5900人 大館樹海ドーム 5040人
秋田の陸上競技場と収容人数 秋田県立中央公園陸上競技場 22000人 秋田市八橋運動公園陸上競技場 20125人
参考までにブラウブリッツ秋田のホームスタジアム 秋田市八橋運動公園球技場 4992人
競技の為、野球場や陸上競技場が必要、サッカーは陸上競技場でも出来る、という俗な意見があることは承知しているが、サッカースタジアムを建設するより陸上スタジアムを作るほうがはるかに金もかかるし、むろん観戦上臨場感に欠ける。そして野球や陸上競技に何より必要なのはスタンド付きの「スタジアム」ではなく、単に場があればいいだけのはずだ。野球場は年に1,2試合のプロ野球の地方開催のために「スタジアム」を建設するのはあまりに無駄が多いし、高校野球予選などで客が入るから必要、というには秋田は野球場が多すぎる。陸上競技場に至っては何十年に一度の国体開会式以外では客は入らない。陸上の大会の選手待機場所としてスタンドが必要というのも贅沢な話だ。周囲に仮設テントを立てれば安く済むだけの話だ。西京極の高校駅伝ではそうしている。つまり野球や陸上競技にはスタンドのある「スタジアム」は必要ないのだ。「稼働率を高めるため」と言い訳をしても、では「スタンドの稼働率」は高いのか、と言えばそうではないだろう。
今回の選挙では年配層から、「サッカースタジアムを作る金があるのなら、高齢者福祉の充実を」という声も寄せられたらしい。しかし今の年配層は若いころ高齢者福祉の充実を拒み、野球場建設を進めた集団でもある。あまりに政治的に筋が通らず、身勝手ではないか。無論団塊の層が数の力を持っていて無視できないのは分かるが、サッカー界も数の力で押すのみだろう。ブラウブリッツ秋田のJ2昇格のためにJ2規格のサッカースタジアムを、などという話ではない。J1規格のスタジアムの税金での建設を秋田のサッカーファンは要求すべきだ。そして同様のことは全国にも言える。主たる利用者がプロサッカークラブなのは関係ない。プロとアマの身分差別禁止がサッカーの論理であり、IOCもFIFAの論理に敗れて従うようになった普遍的な論理である。差別主義者でないのであれば、プロが使うからという理由で建設を拒否すべきではない。高校や大学などもかなりの数使うのは明らかなのだから。
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