2020年07月31日(金) |
虫に触れない男の子達 |
甥っ子から電話があった。 「あのね、ぼく、きょうね、えーとね」 保育園の最上級生になって漸く一人称が自分の名前から「ぼく」に進化したようで、喜ばしい限りである。 「あのね、きょうね、かぶとむしをつかまえたんだよ!」 とは言え、母親である妹の話によると、実際に捕まえたのは甥っ子ではなかったらしい。 まあ、そうだろうな。 蝉にも触れないし、蜻蛉は一昨年、ダンゴ虫は去年になってから、やっと触れるようになったんだもんな。 甲虫の幼虫だって、触るどころか目の前にして「うええぇぇ……」みたいな顔をして、掌に載せるのすら拒んでいたもんな。 今日の午後、父親である義弟と一緒に公園に行ったら、甲虫が木に留まっていたので、虫捕り網で捕まえて貰ったらしい。 ところが、義弟も甲虫に触れないため、甲虫を網に入れたまま自宅に持ち帰って、妹が網から出して虫籠に入れてやったという。 「え、触れないの? じゃあ何のために捕まえたの」 と思わず口にしてしまった。 そりゃ義弟も可愛い息子のために捕まえたんだろうけれど、都会育ちでもないのに甲虫に触れないって、一体どんな少年時代を送ったの……というか、確か義弟って、農家の孫だったような。 後でうちの主人にその話をすると、やっぱり驚いていた。 「えっ触れないの!? じゃあ何のために捕まえたの」 そりゃ同じ事思うよね……。 とは言え、昆虫大好きで、抽斗の中に大事に蟷螂の卵を仕舞っておいてうっかり孵化させちゃうよりはマシなのかな。 と思う事にしよう。
憧れの甲虫(観賞用)を一晩だけ飼う事を許された甥っ子だが、虫籠の中でブーンと羽音がする度に、ビクゥ!とビビっているらしい。 男の子なのに大丈夫なのか、そんな蚤の心臓で……先行きが心配である。
なんでそんな30年近く昔の事を思い出したかというと、今週に入ってイギリスがスペインからの帰国者に対して2週間の隔離措置を取ると発表したというニュースを聞いたから。 急な発表だったので、既にスペイン入りしたイギリス人観光客は「来なきゃ良かった」、スペインでのバカンスを計画していたイギリス人は旅行をキャンセル、観光立国スペインにとっては大打撃である。 日本国内でも、今年5月の大手旅行会社の国内旅行の取扱額が前年同月比99%減、取扱人数も99%減だったとか。 そりゃ二階幹事長に泣き付きたくもなるだろうが、それって国が音頭取ってまでキャンペーン張るべきものなのか……? しかも東京はキャンペーンから除外するから税金で補填って、どう考えてもおかしいだろ。 大体観光業だけ特別扱いする理由があるのか。(あるとしたら東京五輪を目の前にした政治的理由なのだろうけれど) 観光業ばっかり特別扱いでズルいズルい、俺達にも金寄越せ!と乞食が湧くのは目に見えている。 というか既に湧いていたな。
繰り返して言うが、恐ろしい勢いでヒト−ヒト感染する以上、
ウイルス拡散防止と経済活動、両立はあり得ない。
どうしてもって言うんなら、まずはウイルス拡散防止に力を入れて、4月5月辺りのように人の移動を禁止して(自粛ではなく禁止、罰則付きの)、ウイルスの潜伏期間の倍に当たる28日間(ソースは香港の専門家)新規感染者がゼロになってから経済活動の再開をしないと、人々の努力が元の木阿弥になってしまう。 もう日本では第一波を余裕で超える勢いの第二波に見舞われていて、春先の努力が水の泡になっている。10万円の給付も無駄だったね。 というか、この税金の遣い方ってどうなんだろう。 働いた人々がお金を貰うのならわかるが、仕事が無い人々に税金をばら撒くこの構図、歪だとしか思えない。 日本っていつから共産主義国家になったの? 日本には職業選択の自由があるのだから、仕事が無いなら違う仕事を探すしか無いのではないだろうか。
それでも観光業が大変だから夏休みは観光業を助けるためにも旅行に行くよ!という人は、是非近場でお願いしたい。 どうか県境を跨ぐ移動は勘弁してくれ。 私だって甥っ子に会いたいけれど、電話だけで我慢しているのだ。(LINEは頑なに入れない方向で)
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