のづ随想録 〜風をあつめて〜
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【のづ写日記 ADVANCE】

2005年04月25日(月) あの記憶

 奇跡の3日連続更新。
 3泊4日の東北出張を終え、それでも仕事が長引いて1時間時間を遅らせた新幹線でのんびりといくら穴子弁当を頬張っていると、会社のケータイに着信があったことに気づく。
 ううむ、無視できない相手ではないか。
 デッキに移動して、電波状態の悪い中でいくつかの仕事のやり取りをした。明日はなるべくなら当初の予定通り会社を休みたいので、やむを得ず新幹線を大宮で下車、私服のまま池袋の会社へと向かった。結局、23時過ぎまで仕事しちまったよお。
 明日はなんと、いつぞやの人間ドックの結果にしたがって、再検査に行かなければならないのだ。どれだけ不健康なんだ、俺。

 思い出される恥辱の記憶。2003年1月。

 今回も腸の検査をしなければならない。どうも、病院から送られてきた問診表に添えられたメモから推理すると、なにやら撮影的な検査を行うらしい。
 前回の再検査はバリウムを尻から入れて大きな機械に寝そべって撮影する、というレントゲンチックな撮影だったが、今回は趣向を変えて――いや、そんな呑気な話ではない――もうダイレクトに尻から胃カメラみたいなので撮影する、ということかもしれない。
 そんなことなので、検査前日である今日は昼から下剤を呑んでいる。就寝前にも飲め、と薬の入った袋に書いてあったので、まあ本当はこんな時間に下剤なんか呑んだら良くない気はするのだが、面倒なのでコップ一杯の水で流し込んだ。
 昼から下剤など呑んだら仕事にならないのではないか、とオソレていたが同行の同僚に言わせれば、
「最近の下剤はゆっくりゆっくり効くのもあるんですよ」
 さすが、胃潰瘍を患っているだけあってこういう方面には滅法詳しい。実際、彼の言うとおり、出張中はまったく下剤の影響がなかった。先ほど服用した下剤でようやくその“兆し”が現れてきたようで、いま俺の腹ン中はクルクルと小さな音を立てているのだ(お食事中の方、申し訳ありません)。

 という訳で明日は再検査。仕事の連絡がケータイにあったとしても、完全無視体制で臨む所存であります。



2005年04月24日(日) ユッコとヨッコ

 驚愕の二日連続更新。
 実際のところは、地方都市の夜は暇つぶしになるようなことがなにもない、ということだ。同行している同僚は胃潰瘍を患っていて食事もかなり制限されている。なので、『それではちょっとどこかで一杯ひっかけて……』というハナシにはならないのである。先ほども夕食に、青森駅前にある市場の食堂で 激旨の海鮮三色丼2,000円を食べてきたのだが、そのまままっすぐホテルに帰ってきてしまいました。まあ、冒頭にも申し上げましたとおり、日曜の夜ってのも手伝ってか、19時半を回ろうかっていう時間帯に駅前の繁華街(らしい)はすっかり人影が少なくなっていた。
 ああ、大阪や京都に出張へ行きたいなあ……。

 今日は青森県青森市を一日レンタカーで走り回っておりました。
 青森といえば俺には実に馴染みのある土地でして、親父の実家が青森県十和田市。小学生の頃は毎年夏休みや冬休みにはかならず青森の実家へ帰省していた。
 そこでは沢山の従兄弟が俺や兄貴がやってくるのを待っていてくれた。田舎だから、というわけではないだろうが、とにかく彼らは沢山の兄弟がいて、誰と誰が兄弟で──というあたりが実は未だにはっきりわからない。それくらいに多くの従兄弟達に囲まれて俺は夏休みの数日を青森で過ごしたのだった。
 俺と年齢がほとんど変わらない従姉妹がいた。ユウコとヨウコという姉妹で、彼女たちは親戚縁者一同から“ユッコ”、“ヨッコ”と呼ばれていた。いつもお下げ髪で、どちらかといえば大人しくしていることが苦手なタイプの女の子だった。
 当然彼女達は地元の言葉で俺に話しかける。正直なところ、慣れないと彼女達の言っていることの半分も分からない場合があってタイヘンだ。まあ、そこは子供なりのコミュニケーションで乗り切っていて、“訛り”がどうのこうの、ということでギクシャクすることはなかったけれど。むしろ、彼女達の柔らかな東北の言葉を聞くと、俺は「ああ、今年もココに遊びに来たのだなあ」という実感がわいてくるような気がしていた。

 今日、仕事で立ち寄った青森市内の某コンビニで、部活帰りの女子中学生たちが店頭で買ったばかりの菓子パンやジュースを忙しく口に運びながらおしゃべりをしていた。
 ふと、耳に届く“柔らかな東北弁”。
 数年前にツマと両親とともに法事で青森の実家へ行ったときに久しぶりに顔を合わせたユウコとヨウコではなく、小学生の、頬をリンゴのように真っ赤にして俺と一緒に近所を駆け回っていた“ユッコ”と“ヨッコ”のおもかげが浮かび上がった。

 ココから数十キロ先に彼女達がいると思うと、なんだか不思議な気分だ。



2005年04月23日(土) みちのく一人旅(ひとりじゃないけど)

 久々に遠隔地出張です。
 昨晩、秋田市に入って、今は青森県黒石市。今日からさくらまつりが始まった弘前市の隣町のかなりさびしいビジネスホテルの客室からの更新である。出張準備を前日の午前1時から始めたせいか、アレコレと忘れ物が多くて、このノートPCの電源コードを忘れてしまっていることに今気づいた。内臓バッテリだけが頼りのちょっと心もとない更新でもある。急げ、急げ、バッテリが切れてしまうぞ。

 秋田市はやはり地方都市の典型だった。同行している同僚に言わせれば、道行く人に“秋田美人”が多い、ということらしいが、オレは仕事に専念しているのでそこまでの感想はない。昨晩は折角なので“きりたんぽ鍋”を食べたかったのだが、諸事情で、秋田市の同僚と軽く飲む夕食となってしまった。
 秋田での仕事を終え、本日の宿となるここ青森県黒石市に向かう途中、大鰐温泉(同行している同僚は温泉通でもあり、ココは有名らしい)で、しっかり1時間強仕事の疲れを癒した。地方色豊かで、入浴料は安い、施設は広い、露天風呂はキレイ、コーヒー牛乳は美味い、と良いことづくめ。必要ないのに、記念に手ぬぐいを買ってしまいました。これはきっとツマに怒られる。
 夕食は弘前の居酒屋で。「お客さん、どこから来たの?」と聞かれ、東京から仕事で来ている、というと「ならばこれがオススメだからこれを食べなさい」と言われたのが“じょっぱ汁”。ブリ(のような魚)のアラと野菜をぶち込んだ迫力的味噌汁で、これが冷たいサッポロ生ビールと絶妙のコンビネーションで実に美味い。出張の楽しみはなんといっても“食”だからね。
 明日は青森市内に移動するので、どこかいい寿司屋にでも、ということになっている。この出張中、もう一回は更新したいなあ。



2005年04月16日(土) LIVE・ホタルイカツアー

 ワタクシは今、富山県滑川市の滑川駅前にありますホテルサンルート滑川32×号室におります。ツマはもう日本酒と満腹のおかげで眠りこけています。
 『のづ写日記』のほうで、その行程をライブでお送りしております。といっても、まあ殆ど食い物の画像ばかり、というカンジですが。
 おかげさまでナニよりも天気が良い!というのが嬉しいですなあ。途中、特急はくたかに乗り換えた越後湯沢ではまだまだ雪が沢山残っていて、Tシャツに長袖シャツという軽装備をひどく後悔したワタクシでしたが、富山県に着くとすっかり春の陽気と青空。
 これからはひとまず消灯として、明日の朝二時(夜中だぞ、おい)に起きて滑川漁港からの観光船に乗って、ホタルイカ漁を見る。まあ、これが今回の旅の目的であり、ホタルイカ好きのツマの長年の夢がかなう、というわけですね。夜明け前の海上で、幻想的にきらめく神秘的なホタルイカの光の群れを堪能してきます。
 それでは、おやすみなさい。



2005年04月14日(木) 大移動(だけ)の一日

 会社の研修所に泊り込む生活、通算8日目。先週の土日は帰宅したものの休日出勤が重なってなんだかなあもう、と呟いている間にようやく軟禁生活から開放されようとしている。
 社員研修中(それも、受講する側ではなく事務局側だぞ)だというのに、なぜか宮城県への日帰り出張が設定された。どういう会社だ、うちは。朝7時に研修所を出て、新幹線で仙台へ。ココで途中下車し、昼食に特上寿司1,575円。仙台駅の一角に連なる寿司店があって、駅ナカと言えど侮れない旨さだった。そして、そこからさらに新幹線で一駅の古川というのんびりとした東北の街へ赴いた。ここへは取引先とわが社の引き合わせを行う、という打ち合わせであって、実質1時間程度で無事終了。それでまたトンボ返りで、往復約10時間の移動だった。疲れるツカレル…。

 その代わり、というわけではないが移動中はしっかり読書タイムにすることができた。研修所に持ってきた『銀座のカラス・上(椎名誠)』を丁度今朝の横須賀線の中で読み終わってしまったので、慌てて東京駅の書店で下巻を購入した。つくづくブックオフで上巻を2冊買うという間抜けが悔やまれる。
 この『銀座の…』は、インターネットで書評をみると「──だらだらと長いだけの小説」みたいな言われ方をされているようだが、俺にはフツーの椎名作品として、肩に力を入れず、のんびりと楽しく読み進めている。じつはこの上巻を読み終えたら、鎌倉の書店で衝動買いした『球形の季節(恩田陸)』という学園ホラーに寄り道しようか、と考えていたのだが、ついつい続きが読みたくなってすぐさま下巻を購入してしまったのだ。
 電車の中で文庫本を読みふけった一日だった。



2005年04月10日(日) (おそらく)300回記念

 タイトル通り、今回が『のづ随想録』の更新回数が通算(おそらく)300回記念である。
 一応、更新日と通算回数、タイトルなどをまとめて記録していて、前回か前々回あたりにその記録を見直していたら、「おう、もうすぐ300回記念を迎えるじゃないか」と気付いた。たしか今回の更新が(おそらく)それにあたる筈だ。
 なぜ(おそらく)というカッコ付きになってしまうかというと、ちょっとそのあたりの記憶が曖昧なのと、俺はこの更新を出張先の研修センターのパソコンから行っているので、過去の記録を振り返ることができないからだ。
 実にテキトーな通算300回記念である。

 桜が良い時期になってきました。
 昨日、午前中は会社の経営会議に出席し、午後から東京ドーム近くで行われているイベントにわが社も出展しているので、労村とか背文入文あたりの敵情視察も兼ねてイベントに顔を出した(途中、ジャイアンツショップに立ち寄って、新商品のジャイアンツストラップを衝動買い)。薫風が心地よく、私服だったけれど、上着もなくシャツだけで十分な一日で、夕方に帰宅すると俺はツマを“花見”に誘った。
 ツマは夕食のエビグラタン作成の最終段階に突入せんというところだったが、我が家の年中行事でもある“花見”なので、笑顔で付いて来た。
 レジャーシートとお弁当を持って大きな桜の木の下でうふふあはは──ということではない。我が家の“花見”は決まって夜、20分ほどで終了する。
 ウチのマンションから車で少し走った住宅地の小さな川沿いが、ちょっとした桜並木になっている。ここは夜になるとささやかにライトアップされて、桜の木々がウツクシくアヤシく浮かび上がるのだった。毎年、今ごろの“桜満開!”の時期になると、俺とツマは車でその桜並木をナイトドライブするのだ。これが我が家の“花見”。まさにその桜は満開状態で、近所の人が連れ立って桜見物の散歩をしていた。

 今日は研修センター入りする前に、ちょっとした調査の仕事があったので鎌倉で途中下車。汗ばむくらいの陽気で気分は良かったのだが、“今日”というタイミングが悪かった。
 『鎌倉まつり』。
 きっと俺が知らないだけで、結構有名なのかもしれない。鎌倉駅のホームに降り立った段階で冗談のような人ごみ。鎌倉駅の東口から出て鶴岡八幡宮へ向かう参道はまもなく訪れるパレードや山車を見物しようという人々でごった返していた。本宮へ向かう参道の桜はばっちりタイミングを合わせたように満開で、ピンクのトンネル、という安易な表現でとりあえず今日のところは勘弁してくれ!──という感じだった。
 こんな混雑の中、俺はスーツで調査仕事をしているんだからまったく間抜けである。まあ、この状態ではあまり仕事にはならなかったが。

   ※     ※     ※

 普段と何ら変わらない、(おそらく)300回目の更新。今までであれば“300回記念特別企画”とかなんとか銘打ってなんかしようとしただろうが、そのへんのリアクションといったものもあまり期待できないので、静かに静かに300回を迎えることにします。
 それにしても、冷静に、300回かあ。結構な回数だよなあ。
 なんとか、地味に地道に500回くらいは目指したい(と、今、思いつきで言ってみた)。


(紫のバラの人、見ていてくれていますか?)



2005年04月02日(土) 一歩も家を出なかった

 たっぷり1時間風呂に浸かって、冷蔵庫のダイエットコークをぷしゅっとやったところである。
 土曜日。
 大抵、土曜日というと休日出勤することが多いが、来週の月曜日から2週間の社員研修の事務局として、また会社の研修センターに泊り込む生活が始まるため、今日はゆっくり休むことにした。月曜日の朝からの研修なので、いろいろ準備を考えると明日日曜日の午前中には家を出なければならない。
 今日は11時過ぎに起床。途中、最近ツマが購入したらしいジーンズを見せられたり、「ダイエーにキャベツを買ってくるからね」と告げにきたりして、さすがにもうベッドから抜け出そうとしたが、「あ、別に寝てていいよ。ステイ!」と、まるで座敷犬に言いつけるように言うので、俺はそのまま眠りこけてしまった。
 朝食兼昼食のツマ特製ベーグルサンドを食べ、そのままソファへ。ツマはスポーツジムへ出掛けていった。ビデオに録り貯めてあったバラエティ番組をだらだらと見続けていたら、もう夕方だった。
 夕食後、ジャイアンツの開幕2連敗を見届けたあと、文庫本を持って風呂へ。2週間前くらいに地元のブックオフで買ってあった『銀座のカラス(椎名誠)』をようやく読み始めた。

 昨日までは『ネバーランド(恩田陸)』、その前は『口笛吹いて(重松清)』。
 恩田陸は以前友人に勧められて『六番目の小夜子』を読んだ。タイトルからしてちょっとコワ気なカンジがするのですが、学園もので、しっかりミステリーで面白かった。そんな記憶があったので彼女の作品をまた読んでみたいと思っていて、たまたま先日の会社帰りに立ち寄った本屋で購入。これも学園もので、導入部分から前半はかなりホラーな雰囲気が漂っていて期待大だったのが、あとがきで本人も書いているように、展開がだんだんほのぼのとしてきてしまって、すこし残念だったかな。

 『銀座のカラス』は椎名誠の自伝的小説で、たしかどっかの新聞に連載されていたんじゃなかったっけ。同じく椎名作品の『新橋烏森口青春篇』は、俺にしては珍しく何度も読み返している大好きな作品のひとつで、椎名氏の若きサラリーマン時代のことが描かれている私小説だ。この作品の続編のようなカンジで同時代が描かれているので期待をもって読み進めようっと。
 じつはこの『銀座のカラス』は上・下巻の作品で、その両方をそろえてブックオフで購入したつもりだったが、昨日気がついたことは、俺はなぜか“上巻を2冊”買ってしまったようだった。ばかだ、俺。


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