のづ随想録 〜風をあつめて〜
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【のづ写日記 ADVANCE】

2003年09月18日(木) 雲の上には何がある

 常日頃から滅多なことでは飛行機なんぞに乗ることは無い、と思っていた俺だが、気づいてみると今年は出張が多いことも手伝ってずいぶんと“飛行機づいて”いる。
 5月の下旬、仕事の出張取材で福岡へ飛んだのがそもそもの始まりだった。その出張取材ではさらに福岡から仙台までの移動も飛行機であった。乗りなれないもんだから、そのときの飛行機がプロペラ機だったことにかなり頼りない気分にさせられたものだった。
 8月には生まれて初めて愛媛県に訪れたのも出張だったが、往復の移動は当然に飛行機。そして今回の強行出張“火の七日間”では羽田→高松、松山→福岡、福岡→羽田とそれはもう景気良くびゅんびゅんと日本の空を駆け巡った。

 残業続きで帰宅が深夜になると、どうも興味を向けたくなるテレビ番組というのも少ないので、そういう夜はいつの間にか必ず『テレビショッピング』の番組をBGM代わりに点けるようになった。ぼんやりと思考を働かせることなく見続けられるのがいい。時には本気で購買意欲をそそられる商品に出会うこともあって、結構そんな『テレビショッピング』の時間が俺は好きだった。
 そんな背景があったかどうかは別として、飛行機に乗ると座席のポケットに必ず忍ばせてある通信販売の雑誌があるが、どうもこれをしみじみと読んでいるのも楽しいということに気づいた。
 特に雑誌の中で紹介されている旅行カバンなどは、『キャビンアテンダントが考えました』とかなんとかタイトルが付いている魅力的な造りで、ちょっと値の張るものも多いがどれもこれも欲しくなる。
「飛行機の移動時間なんて、どうやって時間をつぶせばいいのだ」
――と、俺はこれまでそう考えていたが、国内の移動程度なら十分暇つぶしになる雑誌が目の前にあるのですね。

 機内の前方には大きなスクリーンがあって、たとえば離陸前の諸注意を映し出したり、映画やスポーツなどを写したりしている。その視界の中に乗客がうろちょろするのがわずらわしいので、俺はスクリーンに写されている映画などをじっくり観ることはまず、ない。
 それよりも、着陸時になるとそのスクリーンには滑走路に向かう機首からの映像が迫力満点で映し出されて、俺はこちらのほうに強い興味をもって見入っていることが多い。
 無事着陸すると、スクリーンの中では滑走路の誘導等やマークが流れるように後方に飛び去り、そしてゆっくり、ゆっくりと機体は空港の建物に近づいていく。
 その時。
 スクリーンには、両手に旗などをもって大きく振り、飛行機を誘導する整備員のような人が映し出されるでしょう。
 もしこれが整備員ではなく、ガチャピンだったら。
 一人ではなく、二人がいて、ベタな舞台衣装を着て漫才をやっていたら(当然、音声はない)。
 整備員が後ろ向きで胡坐をかき、弁当を食べていたら。
 どっしりと、そこでキャッチャーが構えていたら……。

 そんな想像をしていると、確実に俺の左の頬は笑いを噛み殺している。そしてそれは、想像ではなく“妄想”とも言う。



2003年09月17日(水) 火の七日間、その後

 お疲れ様です。って自分自身に言ってます。
 この日曜から始まった出張生活――私はこの出張を『火の七日間』と呼んでいるのだけれど、この出典が分かる人はえらい――だが、今は福岡県福岡市博多区。こののづ随想録をテキトーに読み流している人は「え、おまえ、ついこないだは高松でうどん喰ってたんじゃねーのか」とオドロかれるかと思うが、まあそういう出張なのである。
 結構、シンドい。

 高松で三軒目にふらり入ったうどん屋は、所謂“セルフの店”を前面に押し出しているタイプ。ちょっと注文の仕方に様子を伺いながらだったのだけれど、俺より先に入った学生二人の見よう見まねで注文しようと思った。しかし、なんのことはない、所沢の自宅の近所にある『はなまるうどん』という讃岐うどんチェーン店と注文の仕方は全く同じで、ちょっと拍子抜け。入り口を入ってトレーを取り、だいたい90円くらいからの天ぷらなどのトッピングをまずチョイス。ここは当然基本どおりにちくわ天でしょう。そしてうどん本来の味を楽しむためのお決まりオーダー「生醤油うどん、冷で」。さすがに三軒目なのでボリュームは「小」にしました。
 いやあ、やっぱ美味い。讃岐うどんはやっぱりこの軽い歯ごたえと咽喉越しです。それをちょっと生醤油をたらすだけで味わうのがいいんですね。

 そしてその日のうちに愛媛県松山市に移動、二日間仕事をこなして、博多に飛んでまいりました。
 明日の朝の飛行機で羽田に舞い戻るのですが、ああ、さすがに疲れてきた。



2003年09月14日(日) 讃岐うどんの真実

 大仰なタイトルになってしまったけれど、要は「生まれて初めて本場の讃岐うどんを食って、ああ美味かった」というお話。
 今日から嵐の出張生活が始まった。月曜日に愛媛県松山市で打ち合わせを仕切らなければならないのだが、飛行機での移動を香川県高松市で寄り道して、本場の讃岐うどんを味わってしまう計画だ。
 昼すぎに高松空港に着陸。そこから連絡バスで市内中心部へ移動する。本来なら郊外だったり住宅地だったりにあるうどん屋が実は美味いらしいのだが、さすがにそんなところまで行っている時間もないので、今回は高松駅近辺および中心地にあるうどん屋を三軒攻略しました。
 香川県庁近くの『手打ちうどん ばん家』に行ってみたら、さっそく「臨時休業」。出鼻をくじかれたが、こんなことであきらめたりはしない。事前にWEBからプリントアウトした市街地うどん屋マップを片手に、残暑の高松市を歩き始めた。
 一軒目の『手打ちうどん たまも』で冷やしうどんを所望。狭い店内はどうも観光客らしい一群でいっぱいだった。ちょっと驚いたのは俺の隣のカウンター席に座っていたおばさん。小さめのカレーうどんをすすっておられたので「ああ、女性だからね」と勝手に考えていたら、カレーうどんを食べ終わると即座に同じくらいのサイズのかやくうどんを食べ始めた。讃岐の人は生活の中であたりまえにうどんを食べるというが、こんなおばさんでも二杯も食べてしまうほどなのだろうか。
 俺の注文した冷やしうどんは、想像通りしっかりとしたコシが印象的で、『食いちぎる』という感覚で食べなければならない。つけ汁のおろし生姜がさっぱりとしていて、これは発見だった。うまいうまい、とココロの中でうめきながら、あっという間に平らげる。
 少なめを注文したので、胃袋は全く余裕あり。さあ、これからうどん行脚の始まりだ。
 一軒目で冷たいうどんを食べたので、やはり温かいうどんも制覇すべきであると判断し、天ぷらうどんがオススメだという『手打ちうどん 義経』を二軒目に選択。
 目の前でばしばしとうどんを叩き、延ばしている様子を眺めながら、あつあつの天ぷらうどんを食べた。ここのうどんはそれほどコシがあるわけではないが、関西風のだしとからんでシンプルに美味い。ここでも控えめに“中”サイズを注文したのだが、ありゃどう見ても大盛りボリュームだった。
 汗だくになって店を出たが、まだまだ胃袋は讃岐うどんを求めているようだった。

(つづく)



2003年09月13日(土) 旨いぞ、「利休」の牛タン

 ――というタイトルで途中まで書き進めていたのだが、俺の身辺はもうかなりの勢いでいろんなことが巻き起こってゆく。ということで、仙台の「牛タン」がどれほど劇的に旨かったのか、という話はまた別の機会にすることとして(牛タンの話の続きを早くしろ、と催促してくれた貴女、残念でした)、俺はこの話をしなければならない。

 気が付くと、最近は出張の嵐だ。

 いきなり本題に入ってしまうけれど、今週(というか、9月14日(日)から)のスケジュールはすごいぞ。
 日曜の朝から羽田空港に向かい、一路四国は香川県高松市へ。本来は月曜日からの愛媛県松山市出張に先駆けて、ちょいと高松に寄り道して「讃岐うどん」を食ってしまおうという魂胆。その日のうちに特急電車で松山市へ移動して、月・火の二日間を滞在。火曜日の昼に松山からばびゅーんっと福岡県福岡市へ飛びます。水曜日に博多で行われるイベントの応援です。で、木曜日の朝の飛行機で羽田空港に戻ってきて、そこから東海道線に乗って神奈川県逗子市へ。逗子にあるわが社の研修センターで行われている社員研修の事務局として遅れて参加しなければならんのです。この研修センターで一泊して金曜日の夜にようやく所沢の自宅へ戻れる――という労働基準監督署もびっくりの出張日程であります。
 この間に、おそらく阪神タイガースが優勝を決めるのだろうか。
 まあ、いろいろなことを考えつつ、出張に向かいます。当然、出張中はノートパソコンを持ち歩くので、あちこちからココを更新しようと思っています。お楽しみに。



2003年09月07日(日) 夏休み明けの出張

 先週、突如的に夏休みとなったわけだが、期せずして充実した休みとなったばっかりに、“社会復帰”に時間を要することが予想された。
 月曜日に会社に行ってみると、朝の挨拶もそこそこに部長から呼び出され、俺の休み中の部内のタイヘンだったことを報告され(んなことをいちいち俺に報告する意味がよく分からない)、デスクにはメモやら書類やら誰かの夏休みのお土産やらがどっさりと置かれていて、パソコンを開いてみれば、未読のメールで画面は真っ赤。朝礼が終わった7分後にはもうかなり気分が萎えていた。
「明日の夜から仙台、よろしく」
 どうも俺の休み中に、俺の出張が決まっていたらしい。俺を待ち受ける仕事の山を見上げながら、俺は面倒だけれどちょっと楽しみのある仙台出張を思い描いていた。

 牛タン。

 月曜の夜、残業に適当なところでキリをつけ、出張の準備に入る。WEBであれこれ調べるのは面倒だが楽しい。
 新幹線の時刻表確認、最悪の場合、何時に会社を出れば仙台行きの東北新幹線の最終に間に合うか、ビジネスホテルのチェック、予約の電話、ホテルの周辺地図画像を手持ちのPDAに取り込む。出張に持っていく資料の確認と準備。部内の人に出張中のアレコレをメールで送信。

 そして、牛タン。

 もともと肉好きだが、俺はラムとか馬刺しとか鴨とか、とにかく牛豚鶏系王道肉からやや外れた亜流系肉も好んで食べる。 “牛タン”も勿論その例に漏れず、焼肉を食べに行ったときは必ず初期段階でオーダーされる必須アイテムだ。先般の夏休みでも、夫婦そろって四谷の牛タン専門店「忍(しのぶ)」へ出掛けたばかりだった。
 仙台といえば牛タン。この出張の最重要課題になるのも当然である。
 どれどれ……と舌なめずりをしながらYahoo検索。引っかかった検索結果の中から、仙台のそこそこ有名らしい『利休』という牛タン専門店を探し出す。グルメ系ホームページでの評判も上々である。店舗のホームページへ飛んで行き、地図などをプリントアウト。
 よし、牛タンの……、いや出張の準備は万端だ。


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