時々日刊たえ新聞
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2003年11月30日(日) 親切な人

今日は第一礼拝(9時から)に出席して教会学校に出て、その後街に行くことにした。第二礼拝(11時から)に出る人たちと教会の玄関で顔を合わすと「たえちゃん帰っちゃうの?」と声をかけられた。教会の主(ぬし)のようなわたくし、いつも朝から晩まで教会にいるから、午前中に引き上げようとすると目だってしまうようだ。(笑)
いりちゃんと電車に乗る。(教会の近くには電車が通っている)降りる時になって、小さいお金が無くて乗車料金が払えないことに気付いた。かろうじていりちゃんの分はある。わたしの分の170円のうち、70円はあるんだけど、100円がない。1万円札なら二枚あるんだけど(笑)。終点で最後まで待って運転手に「ウィズユーカード買いたいんですが1万円でいいですか?」と聞く。やっぱりおつりがないと言う。困った。するとやっぱりまだ降りずにいたサングラスをかけた業界風な男の人が(年のころ35くらい)100円玉をわたしに差し出して「良かったら使って下さい」と言う。思ってもいない申し出に驚くやら感激するやら。「わぁ!申し訳ないです。いいんですか?(モジモジ)それでは・・・」その時、さっきから千円札を両替するのに手こずっていた男性が(年の頃65くらい)「わたし1万円くずれますよ」と言って財布からお札を出してくれた。これまた感激!わたしは若い人に丁重にお礼を言って100円をお返しし、年上の方からお札を受け取った。外で待っていたいりちゃんと、大通り公園の信号を渡りながら今の感動を述べ合う。(笑)世の中にはいい人が多いね。いりちゃんの言うには、朝のバスの中で両替にもたもたしているおばさんがいて「急いでいるといらつく」そうだが、以後ドンくさいおばさん&おじさんにも優しい眼差しを向けたいと思ってくれたらしい。良かった。(笑)この感動は是非日記に書くべきだと娘に言われて、わたし今書いてます。(笑)


2003年11月23日(日) 教会の持ち寄りカレー

今日は婦人会のわたしのグループが食事当番。婦人は家庭でカレーを作って来て、大鍋にて合体させるカレーライスをよくする。これがまた美味しいんだ。実は先週、グループリーダーをしてくれているNさんが「当日手伝ってくれる人が少ないからお弁当にするワ」と浮かない顔で言う。「なんで?わたしがいるよ!わたしがいれば出来るよ!やろう!」と励まして実施した。カレー作りはグループ以外の方にもお声をかけて8家庭のカレーが集まった(一人が10人分作ってくれたら80人分のカレーが出来上がり)。やっぱり旨い!大きなガス釜で炊くご飯も旨い。
教会でお役目を持つと「誰も手伝ってくれない」「もうしたくない」という声が漏れることがある。教会で奉仕を強制されることはないんだけれど、何故か卑屈になって「わたしばっかり」てな具合になってしまうこともあるようだ。したくないことはしなくて良い、NOと言える、自分の出来ることをする・・・これが保証されているのが教会。立派な人が集まっているわけじゃない。謙遜で清く正しい人が集まっているのでもない。(むしろその反対)せめて教会が、「こんな人はダメ!」と言わないところであって欲しいとわたしは望んでいる。ウソつきでもいいよ、何度も同じ過ちをしてもいいよ、自分にうんざりしていてもいいよ、攻撃的な人もいいよ、でも静かに喜んでいる人もたくさんいる。長い月日をかけて人が変わっていくのを見ることもある。現にこのわたし、ずいぶん明るくなった。(笑)教会で何か用事をさせてもらうときは、思いっきり楽しくやりたい。まず人を責めない。自分の力だけでやろうとしない。誰にでも「お願い」と声をかける。そしてありがとうと言う。大方の人は喜んで人のために動く。

今日の持ち寄りカレーはプロ級のカレーから並みのカレーまでごちゃ混ぜ。もう一度同じものは作れない特上のカレーに変身するのです。わたしたちもその時々合体していいカレーになろうね。>Nさん。


2003年11月05日(水) さんちゃんの仕事

10月初旬のある日、夕食中のさんちゃんの様子がちと変。ぶつぶつ文句を言う。「何かあったの?」と聞いても言わない。誘導尋問して口を割らせたら(笑)会社で「10月末で仕事を辞めて欲しい」と言われたというのだ。数日後には以下のような解雇通知をもらって来た。

          解雇予告通知書
当社は貴殿を下記の理由により、平成15年10月31日付けにて
解雇いたしたく、本書をもって予告いたします。
             記
          業務縮小による。

工場の半分以上の人が解雇通知を手にした。会社の経営の苦しいことがひしひしと感じられる。残念ではあるけれど、今までかわいがっていただいたことを感謝こそすれ恨む気持は起こらない。高等養護在学中の2年、3年生時職場実習をさせていただき、そのまま採用してもらった。正社員にこそなれなかったが、マイ包丁いただいて、キムチ作りをみっちり仕込んでいただき、給料も人並みにいただいた。解雇通知をもらって、卒業した養護学校の進路の先生に電話したら(卒業後3年間は進路の世話をしてくれることになっている)「同期卒業生で一番多い給料をもらっている」と言われた。9月のお給料手取りで15万を超えていた。(10月分は風邪で三日休んで12万ちょっと)

本人には「何とかなるさ、今までたくさん働いたんだから、少し家で休んだらいいんでしょう。連休にどこかに行こうか」なんて暢気に応えた。内心「毎日家にいられたら心配だし、面倒だなぁ」(笑)なんて気持ちがあるけれど、彼が悪いわけでもなし、家でプータロウしていても冷たくするのはやめようと思う(笑)。学校でも再就職先を探してくれると言う。あっても無くても恨まないぞと思う。共同作業所にも当たってみよう。彼が今までどれだけ「いい人」たちに囲まれていたか。神さまが彼に「良いもの」を与えないでいられないってことを確信している。これもまた親ばかの類かしら。

辞める前に一度彼の職場に挨拶に行かなくちゃと思いつつ、自分の忙しさに紛れてすでに月末になっていた。10月最後の週のある日、帰宅したさんちゃんが「オレ、首がつながったさ」と言う。11月になっても仕事においでと言われたと言う。えっ!?半信半疑。翌日、社員がまだ出ていないだろう早朝に会社に電話する。実習の時からお世話になっているHさんが口ごもって「ま、そうなんですが、まだ何とも言えません。お母さんがいらっしゃるなら11月1日の方がいいと思います」とのこと。ひとまず11月も出社してもいいらしい。

11月1日、いつものように息子は支度して、わたしも同伴して出社した。会社は朝の発注で忙しそうだった。漬物を作る工場、早朝が忙しいんだそうだ。半分以上の人がやめたので工場は閑散としているのに、活気に満ちているという不思議な雰囲気。再建の心意気かな?
上階の一室に通されて、新店長と初めてお会いした。上司が交代していることを、わたしは最近になって知った。以下のようなお話を聞いた。「会社は業務縮小し、やり直そうとしている。たくさんの従業員にやめてもらって最少人数が残った。三四郎君を学校から預かった経緯を考えると、このまま放りだすわけに行かない。社長がそういう考えの人です。今まで指導してきたHも三四郎君を職人として一人前にしたいと言っている。これからも育てて行きます」こんなに言っていただいて親は何を言えようか。「そう言っていただいてありがたいです。よろしくお願いします」としか言えなかった。親でさえこんなに大きくなった子を「育てる」と言えないのに、他人様が「育てます」と言ってくださる!何てうれしいことだろう。

さんちゃんが品行方正、一生懸命仕事をするから残留が決まったわけではない。毎朝の出勤時、気分にムラがあって挨拶もせずに入ることもあるそうだ。「一日の始まり、気持ちよく皆に挨拶できるようになってもらいたい、これ基本ですから」なんて手厳しいことも言われた。(すべてさんちゃんも同席して話された)きっとふてくされた態度も取るだろうし、素直に「ハイ」と言わないことも多々あるだろう。そんな子なのだ。親は背中で教えているつもりでもちっとも見習ってくれない(笑)。そういう学習能力が欠けているのが彼の「障がい」かもしれない。(ここら辺の話になると専門的になるのでいつか「LD」のことを書き下ろしたいと思う)

さんちゃん喜んでお仕事に通っているかというと・・・首が繋がれば繋がったで、ぶつぶつ。体が疲れると特に文句が多い。目覚めが悪いと時計までに文句言う「時計のバカヤロウ!」(苦笑)
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」スピードが極端に早いさんちゃん。自分がたくさんの人に愛され支えられていることを知り、心から喜べることが出来たら、親としてはどんなにうれしいだろう。


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