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旧あとりの本棚 〜 SFブックレヴュー 〜
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■『ノービットの冒険−ゆきて帰りし物語』 ★★★★★
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著者:パット・マーフィー(マックス・メリウェル) 出版:早川書房 [SF] bk1
【あらすじ】(カバーより) アステロイド・ベルトでひっそりと暮らす軌道生活者(ノービット)のベイリー・ベルドンは、ある日、日課の小惑星めぐりで、うち捨てられたメッセージ・ポッドを拾った。律儀なベイリーは、宛名人にメッセージを拾った旨通知した。まさかそれがきっかけで、女性探検家ギターナやファール一族とともに、驚くべき冒険の旅に出るはめになるとも知らずに……トールキンの名作『ホビットの冒険』を下敷きにした、傑作ユーモア・スペース・オペラ
【内容と感想】 指輪物語の前作にあたる、「ホビットの冒険―ゆきて帰りし物語」を下敷としたスペースオペラ。 ベイリーはある朝、自分の筆跡で書かれた見覚えのないメモを見つける。そこにはラテン語と、'パタフィジック結社のシンボルの螺旋と、イチジクを摘めという文章が書かれていた。そして宇宙海賊ギターナとクローン一族のファール一族が、ベイリーの拾ったメッセージ・ポッドを受け取りに訪れ、一緒に冒険に旅立つこととなる。途中復活党員につかまりそうになったり宇宙海賊に追いかけられたりしながら、超古代人の遺した遺跡を求めて大活躍する。 「ホビット〜」で登場するゴクリに変わって改造された機械生命体ゴトリと謎かけのやりとりをしたり、指輪に変わるアイテムとして時間に作用するメビウスの輪等が登場したりと、下敷きになった物語とのからみもよく出来ている。また、「ホビット〜」を知らずに読んでも、ちゃんと楽しめる話になっているように思う。
螺旋上のあらゆる点は曲がり目である(本文より) Eadem mutata resurgo=変化こそすれ、わたしは同じものとして蘇る(本文より)
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