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2001年06月30日(土)
■『ファウンデーションと混沌−新・銀河帝国興亡史〈2〉』 ★★☆☆☆

著者:グレッグ・ベア  出版:早川書房  [SF] bk1

【感想】
 アシモフのファウンデーションシリーズの続編を3人のSF作家が書くシリーズの第2弾。第1弾よりはまあまあよかった。しかし設定自体がもうすっかり古くて、ロボットに対する扱い自体にかなり無理がある気がする。ロボット(カラクリ)、コンピュータ、人工知性の違いが、なんだか消化不良で設定に無理があるのでは。



2001年06月29日(金)
■『スノウ・クラッシュ』(上・下) ★★★★☆

著者:ニール・スティーヴンスン  出版:早川書房  [SF] bk1

【あらすじ】
(上巻カバーより)
30分以内に配達できなければ死が待っている…マフィアが経営する高速ピザ配達フランチャイズの<配達人>ヒロ・プロタゴニストは、世界最高の剣士にして、腕ききのハッカー。仮想空間のメタ・ヴァースでスノウ・クラッシュと呼ばれる新種のドラッグを試してみないかと誘われたことから、とんでもない事件にまきこまれていくが!?近未来のアメリカをスピーディーに駆けるハッカーたちの活躍を描くネット世代のためのSF

(下巻カバーより)
高速で走る車に勝手にケーブルをつないで、道路を縦横無尽にスケートボードで走りまわる15歳の少女、Y・T。危険きわまりないRadiKSの<特急便屋>をしていることは、もちろんママには内緒だ。ふとしたことからヒロと知り合ったY・Tは、現実と仮想空間のメタヴァースの両方でばらまかれたウィルス、スノウ・クラッシュをめぐる奇怪な陰謀にまきこまれるが…近未来をあざやかに描くポストサイバーパンクSF!

【内容と感想】
 表紙のイラストなどもポップだったため軽い作品かと思ったら、意外としっかりとしたSFとなっていて、スピード感にあふれていて面白かった。ラップミュージックが似合いそうだ。

 ヒロは在日韓国人の母親とアフリカ系アメリカ人の父親を持ち、父が第二次世界大戦で日本から略奪してきた刀と脇差を所有している。仮想空間のアヴァターにもヒロはそれを持たせている。
 彼のかつての恋人の結婚相手が仮想空間のメタ・ヴァース内でウィルスにやられ、現実世界でも言語機能を破壊されてしまった。仮想空間から現実世界へ作用を及ぼす悪質なウィルス、スノウ・クラッシュ。しかもプログラマーやハッカー等に影響を及ぼすという。ヒロはこのメタ・ウィルスを蔓延させようと目論む宗教団体を阻止しようと、大型ハーレーを乗りまわす巨漢レイヴンを相手に、刀を振り回してメタヴァース内を疾走する。

 宗教は本来ウィルス性のもので、脳内に宗教受容体(レセプター)を各々持っていて自分に合ったものを受け入れるとする設定が凄い。


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