月と散歩   )   
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2003年09月05日(金) ワンダフルライフ



7月、8月と長い連休を2回取れまして。

…また、今回も長いですよ?(苦笑)

―――

7月。

同期4人で、イキオイに任せてキャンプに行く。
ほぼ無計画で、目的地もなんとなく 淡路島。
そこになにがあるかなんて、誰も知らない。

なーに、行けばわかるさ♪

そういや、毎回予定なんてのはまともに立てたことが無いや(苦笑)。



一日目。

僕の寝坊で始まった旅(汗)、その他にも多少のイレギュラーを重ね
淡路島に上陸したときはすでに午後3時を廻っていた。

そこが兵庫県だということも知らなかった僕らだ。
観光名所なんて、知る由もない。
なにより、宿泊場所を決めなきゃ。雲行きも怪しくなってきた。

淡路島は、『香』の島。
あちこちから風に乗ってお香の匂いがしてくる。
それと、微かに 雨の匂い。

やっと見つかったキャンプ場は、
砂浜が近いという以外 僕らの想像からはかけ離れたところだったけど
「住めば都や」
という管理人のおばあちゃんの言葉を信じ、テントを張る。

今回のテーマは『自給自足(なるべく)』。
なので、みんな釣竿を持ってきている。
「さあて…」
ひとりが竿を伸ばしたところで、最初の一粒が落ちてきた。

うわあああ。

通り雨のようだけど、夜中にまた降られても…ってことで
料金上乗せしてバンガローに変えてもらう。
『バンガロー』なんて小洒落てて 金持ちキャンプ的な響きでイヤだったけど
実際の『それ』は、僕らの野宿魂を納得させるのに充分なモノだった。
つまり、…ひどかった(苦笑)。
まあ、特別に売店の軒先を借りてバーベキューをさせてもらったし
これ以上不平不満を並べるのは止そう。

予定では釣り上げた魚がメインディッシュになるはずだったんだけど、
雨やら 場所の移動やらで釣り糸を垂らす暇なく
万が一に備えて買っておいた肉と魚を焼く。

いや、やる気はあったんですよ?
でも…雨が…ねぇ?(言い訳)

結局、竿は 最初にひとりが準備した以外は旅の終わりまでトランクに積まれたままだった。

…蛇足的に。
バンガローに荷物を運び終わった頃には雨はすっかり上がり、
その後名古屋に帰るまで降られることはなかったということも付け加えておきます…。



2日目。

淡路島の、想像以上の『何も無さ』に
僕らはこの日の目的地を香川県に変更した。

さぬきうどんを たらふく食おう!

ああ…無計画って素晴らしい…!(苦笑)

鳴門海峡を臨む温泉で気合を入れなおし
徳島を抜けて いざ、うどん!! …もとい。いざ、香川!!

途中、四国八十八ヶ所の一番札所に寄り道。
ついでに、すぐそばにある八十八番所も寄って 「全部廻ったぞー」なんてことにして…
なんて冷やかし半分だったんだけど、そこにいた人たちの
一種 思い詰めたような空気に気圧されて、なんだか考えさせられてしまった。

そうだ。この雰囲気は、いつかの鹿児島に似ている。
(2002年8月18日、『閑話休題III』参照)

思えば、日本の宗教観はおかしなところだらけだ。
お寺があって、神社があって、教会もあって。
初詣して、お盆には墓参りで、クリスマス。
イエス様に、仏様。
…神社ってナニ様を祀ってんだっけ?
七福神って、中国やらインドやら あちこちのカミサマの連合組織でしょ?
そういや、おまえんち ナニ教?
あれ?ウチはなんだっけ?

そんな話をしてるうち、香川県に入っていた。

最初に見つけたサービスエリアで、さぬきうどん第1回戦。
『たらいうどん』をみんなで分ける。

…!!

すげー…!
コシが全然違うよぉ(感涙)。
なんだよ、この喉ごしぃ…!
一介のサービスエリアでコレってことは、専門店行ったらもっとスゲーんじゃない?!
おいおい、うどんっ腹にする気かよぉ、さぬきぃ。
…じゅるり。

この日の野営地も海岸に近いところを、ガイドブックを えいやっと開いて決める。
そこは市営のキャンプ場で、昨日とは打って変わって素晴らしく設備の整ったきれいなところだった。

…整いすぎている。
サイトそれぞれに、シンクはあるわ、常夜灯はあるわ。
管理棟には24時間使えるシャワーまで。
本格的なオートキャンプ場ってやつだ。
電源設備がないのが唯一救いか…。

まあ、贅沢(?)を言っても始まらない。
こうなりゃとことん使ってやるさ!

というわけで、カレーを作って米を炊く。
焼肉、焼き鳥、焼きもろこし。
さぬきうどんは明日の楽しみにして…。
夜中の砂浜、ギター弾いて、歌って、語って、全裸で海へ…!(?)



3日目。

ガラにも無く、パスタとバターロールで朝食。
なんだかんだ言って、けっこうオートキャンプを満喫している僕らだった。

昨日のどんよりした雲もどこかへ流れて、今日は綺麗な青空。

テントを畳んで、荷物をまとめて…。
…しかし、暑いっ!

こりゃやってられんわ、ってことで 目の前の海へ飛び込む。
そうは言うものの、4人中3人が泳ぎはからっきしである(僕含む)。
浮き輪にすべてを委ねて、海に漂う。

やー。 夏っすねー。

海水に外から内から浸り(苦笑)、気持ちまでふやけた頃
時計はすでに昼を廻っていた。

…! そうだ、さぬき!

クルマに付いてたナビ様にお伺いを立てると、近くの店を数件ピックアップしてくれた。
その中から店名のフィーリングで一軒に絞り込む。
行ってみれば、とても古風な佇まいの落ち着いた店。
でも観光バスが何台も停まっていて、行列も出来ている。

こりゃあ、当たりじゃないか?

否が応にも高まる期待。
待つこと数十分、ようやく店内へ案内される。
…しかし、待てどもなかなか注文の品が出てこない。
あげくに後から来た団体客に先を越される始末。
小一時間待って、いよいよこれはおかしいと催促してようやく出てくる。
冷やしと 釜揚げを食べ比べ、「こりゃ、さぬきは 『冷やし』 だな」 という結論に。
店を出たら、3時だった…。



これは後から聞いた話だけど、
さぬきうどんは小さい店ほど美味いものらしい。
製麺工場に隣接しているところがベスト。
かけうどん(温)がお勧めで、セルフで作れるくらいお手軽だけど 奥は深い。

…観光客相手のところは、味はやっぱり 『それなり』。
出てくるまで一時間 なんてもっての外。



アレはやっぱり ハズレだったのか…。


ともあれ、念願のさぬきうどんは食べられたし、鳴門の大渦も見ることが出来たし。
夏をめいっぱい楽しんだ3日間。

帰ってしばらく、日焼けの背中が痛くて寝れない日々が続くのでした…。


―――

この頃から、首筋に ナゾの 『しこり』 が現れる。
痛みと、肩こり、やわらかい頭痛を伴って。
場所が場所だけに心配になり医者に診てもらうも
「んー。なんだろね? まあ、もう少し様子を見て、それでも無くならないようならまた来て」
と言われる。

んー。

その時点で すでに 『しこり』 が出てから一ヶ月。
さらにひと月過ぎた今もまだあるのだけど、痛みは無くなったから まあいいか(いいのか?)。

―――


キャンプから帰ってきても、まだ連休は半ば。

この機会に、と 東京へ学校見学へ行く。
浮かんでは消え、形を変えながら一進一退していた考えが、ひとつの完成形を見る。

でも、結局いちばん根本のところでまだ決めかねている僕がいる。

…何のために 職を変えるのか…。

結論は出ているのだけど、それを口に出す勇気がまだ、ない。


―――

次回は、8月分。

ああ、まるで降り積もる雪のよう…(苦笑)。


2003年09月04日(木) 『どうしようもない悲しみに』



抗うことに疲れ果てて、流れに身を任せてたら
見たこと無い場所だった。

走らなきゃ。
走らなきゃ!

僕はまだ、やれる。

大丈夫。
少し休めばこの足もまた動くさ。

走らなきゃ!
開いた扉はすぐ閉まる。
『次の百年』なんて待ってられない。



滑り込んで、泥を落として 顔 上げれば

そこはホラ、約束の地だ。


―――


 欲しいものがなくなって
 それでも 次の夢をみる
 だけど、そのページには…

 僕がやろうとしていることは
 間違いかな…?


―――

…みんなが、そこで待っててくれることを

切に 願う。


                 『どうしようもない悲しみに』 by 斉藤和義


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