流天日記
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2003年06月30日(月) プラ・カード

お昼の後の授業がなかったので
ホーキンスの登山靴をはいて学校周りを散歩する。
霧のような雨が降っていて、
ものすごい数のあじさいを見た。

薬局の前でぼんやりしてたら
男女2人組に声をかけられる。
「私たち、ずっとあなたを尾けてきました」
女は言いにくそうに下を向いて言うのである
「あのぅ、私たちにストマックを買ってくれませんか」

ちょうど私はストマックを持ち歩いていたので
「私のでよければ」てんで女に手渡した。
女は顔を輝かせて男の手を取り
二人は小躍りしながら去っていった。

気がつくと4限に遅れそうな時間である。
やべぇ、てって急ぎ足で歩いていくと
後ろから同じく急ぎ足で尾いてくる者がある。例の2人である
振り返って「なんですか」と言うと
女はまた言いにくそうに
「あのぅ、なんか私たちが引きとめたせいで
あなたが遅刻したら申し訳なくて、少しでもお役に立てたら…」
とぽつぽつ話し、手にしていたプラ・カードをこちらに見せた。
「問3 zheng zhi」とある。
無視して歩き出しても2人はずっと尾いてくるのである。

教室に着くと既に授業は後半である。
後ろのほうからこっそり入って席に座る。
廊下を見ると例の2人がプラカードを持ってにこにこしている。
(完)


2003年06月26日(木) 生協崩壊

放課後、おなかがすいたので生協(学内のコンビニのような場所)に行く。

生協の中は真っ暗で、ブラックライトが所々に青く光っている。
おのおのが好きなものを手にとって
好きなところで食べている(レジの下・階段・またはその場で)。
レジも機能してはいるが律儀に会計する人はまれである。

6月30日付けで生協は閉鎖するのだ。
最期の一週間は電灯も処分され、掃除をする者もないので
ほぼ無法地帯と化している。
私もサンドイッチを手にとって、入り口の隅のほうにしゃがんで食べた。
(完)



2003年06月16日(月) 動くヒルズ

六本木を中心に、東京、横浜、大宮の間を
1日かけてゆっくり移動する
「巡回式新型マンション」の見学に
大学の友達4人で行く。

まだ未完成らしく見学できるところが少ないので
地下の駐車場で
ままごと・かくれんぼなどを嗜んだ後
地上に出てみると、六本木である。
さっきまで東京だったのに。
強烈なめまいがした。
周りの皆も言葉少なに帰宅。
(完)


2003年06月09日(月) 五月病(完結編)

ずっと歩いて、歩き続けて、東京まで帰って来た。
ナップザックの重みで肩が痛い。全身から土の匂いがする。疲労感。

降参だわ、もう歩けねぇわ、と思って
池袋のスタバに寄る。注文したココアは
中に大量のホイップクリームが入っている。店員に
「もっと面白おかしく、平穏に、
暮していくこともできるんじゃないの?」と言われる。

いすに座ってしばらくじーっと動かないでいた。
ココアはもの凄く熱くて舌をやけどした。

(完)


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