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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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2000年12月08日(金)
冬の夜空観望でホッとひと息(42歳)

静岡新聞 朝刊(ひろば)

宇宙少年団のリーダーが年末の、いや世紀末の忙しさの中、
冬の夜空観望会を開催してくれた。
21世紀を目前に控え、なんだか理由もなく落ち着かない私を、
ホッとさせてくれたのは、なんと「月と惑星」だった。
地球の影で少し欠けている月は、満月の月より神秘的だったし、
地球と同じ太陽系の惑星たちは、いくつかの衛星を従え、
この千年何事もなかったように輝いていた。
インターネットで検索した宇宙の情報ではなく、
寒い中、流れる雲の様子を気にしながら見た
宇宙の神秘さと懐の広さを実感したら、
ちびまる子ちゃんが失敗するたびに
「この広い宇宙の中ではいろいろなことがあるんだよ」
というせりふを使う意味がわかったような気がした。
私の失敗や悩みなんて、宇宙的規模で考えればたいしたことではない、
くよくよしないで頑張ろう、と思わせてくれる
不思議なパワーを感じさせてくれる。
今の時期、金星、木星、土星といった惑星が夕方から顔を出しいる。
年末、忙しいことは承知のうえで、
冬の夜空を見上げることをお勧めしたい。
宇宙の力を借りて、気持ちがす〜っとする体験を、
ぜひ味わってほしいと思う。





2000年12月01日(金)
「詩とメルヘン」と私 (42歳)

私にとっては、いつまでも素敵な贈り物である。
初めての出会いは23年前、今の家内とつきあい始めた頃。
学生の私が出来るプレゼントは、月に一度、
最終ページに自分の思いを綴ったメッセージ付きの「詩とメルヘン」。
東君平さんの「たりだりの日々」がお気に入りだった私。
プロポーズの言葉は「『詩とメルヘン』持って、お嫁においで」
だったと思うのだが、記憶が定かではない。
ところが、突然「メッセージ欄」がなくなり、
私は表現の場を失った。
ふたりはなんとか家庭をもったが、それから数年、
詩を読む時間は仕事に変わり、
心に余裕がなくなっていた時期があったなぁ、と思う。
そんなある日、小学5年生になった娘が、本屋で手にした本が
なんと「メッセージ欄」復活済みの「詩とメルヘン」。
その月から、私のギフト相手は娘に変わったが、
高校1年になった彼女の月に一度の楽しみになっているようなので、
続けていきたいと思っている。
時々、お気に入りの詩をノートに書き出したりしているし、
学校でも美術部に入り、毎日私にはよくわからない絵を描いている。
夏休みには「美術館めぐり」をした。軽井沢も鎌倉にも足を運んだ。
これも「『詩とメルヘン』の影響かな?」と
一人で喜んでいる私がいる。
たぶん、何年かして娘が嫁にいったら、
またギフト相手は家内に戻ることだろう。
つきあいはじめた当時のメッセージを読み返しながら、
「なぁ、今も変わらないだろう?」という台詞を、炬燵に入り、
蜜柑を食べながら、言いたくて言いたくて・・・。
これが「詩とメルヘン」と私。夢はきっと叶う気がする。
編集者の皆さん、
是非「メッセージ欄」はなくさないようにお願いします。
(静岡県)