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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
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2000年11月24日(金)
ピアノの連弾、公民館で聴く(42歳)

静岡新聞 朝刊(ひろば)

週末に公民館で開催しているミニコンサート、
今回はピアノの連弾であった。
一台のピアノを二人で弾くと、音に広がりや厚みを感じて、
ソロとは違った楽しみ方を知った。
主線を弾くブリモ、伴奏を弾くセコンド、二人の息はピッタリだった。
そんな彼女たちがアンサンブルの楽しみを
「音楽を通じて相手と会話ができるから」と表現してくれた。
ひとりが楽譜をめくり、ひとりがペダルを踏む。
ワルツの曲は、弾きながら二人の体が仲良く左右に揺れていて、
とてもほほ笑ましい雰囲気に包まれていた。
ときには、お互いのひじがぶつかったり、予期せぬ事が起こるけれど、
それをとっさにカバーしていく楽しみもあるらしい。
とにかくスリル満点です、とまとめてくれた。
お互いが信頼しあうことが、アンサンブルの基本中の基本なんだと、
あらためて気付かせていただいた。
いや、それは仕事にも、子育てにも当てはまる考え方、
とにかく複数で何かに取り組む時の基本なんだと気付いたら、
何だかとても得した気持ちになった。
アンコールで二人が弾いてくれた「猫ふんじゃった」を思い出しながら、
温かい気持ちで帰路についた。