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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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1999年10月14日(木)
不安がよぎる原発の耐震性(41歳)

静岡新聞 朝刊(ひろば)

東海村の臨界事故に対して、浜岡原発を抱える静岡県も、
それなりの記事が新聞紙上をにぎわせている。
しかし、ふと私の脳裏をよぎった疑問がある。
今、内部の点検、危機管理マニュアル、職員の教育などが
話題になっているが、一番大切な建物自体の耐震については
全然触れられていない。
わが町も、東海地震に備えて、役場庁舎の耐震工事を進めている。
阪神・淡路大震災以降、多くの自治体が危機意識の中で、
対策をとっている。
しかし、どうだろう。活断層の上に位置する浜岡原発が、
果たしてマグニチュード8以上といわれている東海地震に
耐えられるのか、心配である。
地元の町長をはじめ、関係者に内部を見学させて、
「安全です」というコメントをいただいても、
それはパフォーマンスでしかない。
「木を見て、森を見ず」の言葉通り、全体を客観的に見ないで、
東海村の事故ばかりに気を取られていると、
足元をすくわれる気がしてならない。
ただし、東海村の事故は決して対岸の火事ではない。
事故の大きさ、風向きによっては、
私たち静岡県民ですら被害を受けたかもしれないことを念頭に、
もっと根本的な「エネルギー論議」をしないと
いけないのだろうと思う。
自然豊かな静岡県であるならば、その自然を利用した「発電」を
真剣に考えるべきではないか。