覚えていた彼の匂い
一夜明けたのだから 残ってるわけないのに なぜか時々ふっと香る
彼とはキスだけを楽しむ間柄 濃淡をつけて 強弱をつけて 何度も 何度も
触れるか触れないかくらいの 淡い淡いキスをする 以前「じらされているみたい」と あなたは言ったね
それをしてみる 何度か繰り返すと 彼が熱いキスで切り返してくる
ひととおりキスが終わると ぎゅっと きつくきつく抱き締められる 私の体がのけぞってしまう
体を離して再びキス そのまま唇は私の首筋に
感触は今でも残ってる気がする
あなたの心音を聞く 気持ちよくて眠ってしまいそう あなたも私の心音を聞く 胸に耳を当てられた瞬間ドキドキする
「音 早かったでしょ?」 そう聞く私に 彼は笑ってた
自分の生まれ育った家に戻り まだそのままにしてあった自分の部屋の 大好きなソファに座り ふっと昔を懐かしむ
この感覚は それに似ている
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